旅行はしたいけど実は飛行機が苦手。恐怖感を克服する術は色々試したけど、どれも今一つ効き目がなかった。ストレスを少しでも減らすにはどうしたらいいんだろう。コツを教えてもらいたい。
こんな大きくて重いものが空を飛んでいるなんて不自然だから、飛行機に乗るのは怖いという方は多いと思います。実は私もその一人ですが、旅行を楽しめる程度には不安感を和らげることはできています。実体験に基づいて、飛行機での旅行のストレスを和らげる方法を解説します!
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飛行機に乗るのが怖いのは克服よりも、不安感と上手に付き合うことを目指そう
私が飛行機が怖くなったきっかけ
私は漠然と飛行機に乗るのは少し不安だなというのは、初めて飛行機に乗る前からありました。私が不安になるのは離陸と乱気流。着陸はへっちゃら。全く統計を無視した怖がり方です。それでもまあ離陸する前に寝てしまえばいいやと思い、寝て対処できていたくらい程度の不安感でした。アジアの国に住んでいた時は日本への往復で年に2~3回飛んでいたものです。頻繁に飛ぶため怖いという気持ちはかなり薄れていました。
それが一変したのは、サンフランシスコからミネアポリスへの帰路で、飛行機が乱気流を通過し、大きく揺れたのがきっかけです。かなり揺れて不安になり周りを見渡したところ、フライトアテンダントさんは慌てて座席についてシートベルトをしているし、お隣のカップルは手を握りしめあって祈り始めている。そんな姿を見て、大変なことになっていると怖くなった記憶があります。そんな不安感がまだ払拭できていないときに拍車をかけて友人が「そういえば○○(共通の友人)は墜落事故の生存者なんだって」などと発言してしまい、そんなことが身近な人にあるなんてと恐怖を感じてそれ以来なんとなく不安感が増してしまいました。
その後、旅行を計画するときにストレスを感じ、旅行する1~2週間前から飛行機のことを考えるとさらに不安感が起きるようになりました。空港からわりと近くに住んでいるため、たまに轟音をたてて飛行機が自宅の上を通過するのですが、それでもちょっと不安感がよぎるくらいにまでなってしまいました。
実はこの旅ブログを始めたのも、旅ブログを書けばあちこち旅行する動機も増えるし、そうすれば飛行機に乗るのが怖いという気持ちを克服できるかも、と思ったのもあります。その成果なのか、色々調べて試した結果なのか、コロナでストップしていた旅行を再開してからは、もう少し自信をもって飛行機に乗れるようになりました。しかし克服はしていません。それでも大丈夫なことがわかったので、克服は目指していません。そんな経験をここでシェアして一人でも多くの方が、楽しく旅行に出かけられるきっかけになってほしいです。
飛行機が怖いのは当たり前
人間は翼もヒレもなく基本的に地面で暮らしている生物です。なので飛べないのに急に空に放り投げられたり、泳げないのに水の中に落ちたりしたら怖いと感じるのは当然です。だからこそ私たちは柵のない断崖絶壁などに行けば気を付ける、無謀に川に飛び込んだりしない、つまり「恐怖感」とか「不安」というのは生存のために必要不可欠な感情なのです。なので飛行機で飛ぶという行為に不安を感じるのは当然です。もちろんだからと言ってすべての人が怖いと感じるわけではありません。けれどもしあなたが怖いと感じるのであれば、それは本能なので恥ずかしいとか、どうして自分はこんなことが怖いんだろうと自責する必要は全くありません。
飛行機に乗る不安感をすべて解消する必要はない
飛行機に乗っているとどんなに揺れてもリラックスして楽しんでいる人がいます。あんな風になりたい!飛行機に乗る不安感をすべて解消したい!というのは、ごもっともな希望です。けれども現実的でしょうか?そもそも飛ぶのが怖いという気持ちは本能に関係するものなので、怖いと思うのならばそれをかき消すのは難しいです。それでも不安感のレベルを下げて少しでも快適にできる方法はあります。
飛行機に乗る怖さを減らすためには乗る前の準備が大切!
全体的にストレスを減らすことを心がけよう
私たちの体はストレスを感じると、筋肉が緊張したり、心臓がバクバクしたり、汗をかいたりします。これは危険を感じたときに逃げたり、戦ったりするために身体が準備している証です。逆に体にストレスがかかっていると、精神的にもストレスを感じやすい状況ができてしまいます。ストレスのスタート地点は低い方が、飛行中のストレスを受け止めるキャパシティがあります。なので心と体のストレスを減らしておくことを心がけましょう。できることは下記のようにいくつもあります。
- 空港にはゆったり余裕をもって到着する。空港ラウンジを利用してストレスを減らす。
- 空腹にならないようきちんと食べる。離陸の遅延もあるのでスナックも用意しておく。
- 寝不足にならないよう前日はしっかり睡眠時間をとる。
- 快適な服装で飛行機に乗る。
- フットレストや枕など快適さを増すグッズは積極的に利用する。
- LCCが不安なら自分がちょっとでも安心できる航空会社を利用する。
- できることなら快適なグレードの席にする(いつもメインキャビンならコンフォートクラスを考慮するなど)。
- カフェインは避ける(体がストレスを受けたときと同じような状態になりやすい)。
- 乗り物酔いが心配なら、酔い止めを飲む。
- 離着陸が怖いなら、なるべく直行便を利用する。
- 暑いとかまぶしいのがいやだったら、航路と太陽の位置を考えて日光が強く差し込まない側の席をとる。
自分が恐れていることは何なのか知って席を選ぼう
皆さんは自分は何が怖いのか知っていますか?閉所恐怖症、それとも事故が怖いですか?私は飛行機が墜落することが怖いです。これを知って座席を選びましょう。
- 閉所恐怖症なら通路側の席や非常ドアの席をとる。
- 体調を崩してトイレに行かなければならないのが不安ならトイレの近くの通路側の席をとろう。
- 乱気流による墜落事故が怖いなら、意外かもしれませんが窓際の席を取るとよい。ちょっと飛行機が揺れていても外を見ると実は機体はとても安定していることがわかる。
- 揺れるのが怖いなら翼の上、前方の席が一番乱気流の影響を受けにくい。飛行機の重点の中心点であるため。
- とにかく安全性が不安という方は、後方の席が万一の墜落事故の際には生存率が高め(ただし揺れは強く感じる)。
- 周りの人の騒音がストレスで不安になる人は窓際の席が一番静か。
- 揺れによる乗り物酔いなど乱気流が心配なら、翼の上の席。
ちなみに私は揺れると不安になるので、翼の上で窓際の席を取るようにしています。
飛行機が飛ぶ原理を知っておく
墜落事故が怖い方は飛行機が飛ぶ原理を知っておくと少しでも安心できます。飛行機と地面の間に空気しかないのだから重力を考えると「落ちるのが自然」と思うから余計怖いんですよね。実はその考え方は物理学的に間違っているそうです。まず飛行機は離陸前にすごいスピードで滑走路を走ります。速ければ速いほど地面にいるのが難しくなり、飛ぶのが自然になるそうです。さらに飛んでいるときもスピードがあるほど、機体下の空気がまるでゼリーのような状態になるそうです。なので実は機体は重力で下に引っ張られているのではなく、揚力(水ならば浮力)で押し上げられていると考えた方が正確だそうです。仮に急にエンジンが全部停まったとしても、飛行機はいきなり墜落しません。ハングライダーの要領で少しずつ高度を下げていくものです。実際にエンジンが停まってしまったにもかかわらず、無事着陸した飛行機はあります。1983年に起きたエア・カナダのエンジン停止事故が有名です。避難の際にパニックに陥ってケガをした人はいたそうですが、着陸時の負傷者はなしです。
統計的に飛行機は一番安全な交通手段だという事実はそのままではあまり役に立たない
飛行機が怖いというとよく「飛行機は統計的に一番安全な乗り物だ」と返してくれる善意の人がいます。そんな事実を知っていても、不安は消えません。なぜなら統計的には安全度の劣る車の事故でも、ひとつひとつの事故を見ると命は助かることが多いからです。飛行機の墜落事故の場合はそういうわけにはいかないと思うから不安を感じてしまうのです。
実際に飛行機の事故で死亡者が出ることはとても稀。99%の飛行機事故で死者はでません。コロナで便数が減る前の2019年のアメリカの飛行機の事故は36件で死者は一人。その年の死亡事故のあった飛行機に乗り合わせる確率は10万便につき1回です。飛行機事故で死ぬ確率は33億分の一です。ここまで書いておいてなんですが、こういう数字を出されてもあまりにも日常とかけ離れていてピンときません。
アメリカの航空会社による飛行機事故で死ぬには確率的に22,000年、毎日飛行機に乗らなければならない。
Dr. Arnold Barnett, MIT
これならもっと日常の言葉でわかりやすいですね。他にもこういったデータを身近にするためには、慣れている感じのフライトアテンダントさんを見たり、よく飛行機に乗っている友人・知人を思い浮かべたりして、あの人たちが事故にあってないんだから、私も大丈夫と思うと飛行機の安全性をより身近に感じることができます。
動画を見て、どれだけコックピットが平穏な場所なのかを知っておく。
最近、パイロットも副操縦士も居眠りしてしまって、着陸するはずの空港の上空を通過してしまったなんてニュースもありました。その数週間後にはコックピットでパイロットと副操縦士が殴り合いのけんかをした(笑)というニュースも流れてきました。それでも飛び続けるんです!パイロットは本当にトレーニングされていて、しかも飛行機もパイロットが操縦しなくても飛び続けるように設計されているのです。コックピットの様子をアップロードしている動画があるので、それを見て、どれだけコックピットが穏やかな場所なのかを認識しておきましょう。こういう画像を何度も見れば、離陸や着陸時にどれだけパイロットや飛行機自体が頼りになるか、思い浮かべて安心できます。
機内でのエンタメを用意しておく
飛行中に不安感から気をそらすには、楽しみにしているエンタメを用意しておくことが有効です。旅行が近づいてきたら、見たい番組や映画、聞きたいポッドキャストや本などを我慢してためておきましょう。旅行前に我慢しないといけないほど楽しみにしていることがポイントです。興味があるから見てみよう程度のものだと、いざ見始めても今一つ気が乗らなかったりして、不安から気をそらす効力が低いことが多々あります。ドラマなどいくつもエピソードがあるものがおすすめで、初めのエピソードをいくつかみて、もっと見たい!と思わせる番組を見つけて、楽しみに飛行機に乗る当日を待ちましょう。
お薬も選択肢の一つ
お薬も保険代わりにあると安心です。わざわざメンタルヘルスでなくても、アメリカでは内科でも飛行機に乗るのが不安だからと言えば、抗不安薬を処方箋してもらえます。私は婦人科検診の時にふと相談したら、内科に行かなくても処方できると言われてしてもらいました。初めに処方してもらったのは弱いお薬だったのですが、それを何年か使って特に変化を感じなかったので、内科検診の時に相談し、もう少し強いお薬に変えてもらいました。薬を飲むと私は眠くなります。飛行への不安感が増してからは機内では眠れなくなっていたので、ちょうどよかったです。実際に効果があるのかどうかはちょっと微妙ですが、寝ている間は不安を感じないので、役に立ってはいます。日本に里帰りするときは飛行時間が長いので、何時間もたてば追加で飲めるのかきちんと処方してくれた医療機関に確認しておきましょう。
機内でできること
飛行機に乗ってしまえば、あとはパイロットとクルー任せなので、自分のできる範囲でのみストレスを減らすことをしましょう。
恐怖感が増したときにできることはいくつか用意しておこう
深呼吸や瞑想などストレスを感じたときにできることはいくつもありますが、これはほぼ必ず効果があるという技を一つはもっておきたいものです。私は利き手でない手で家族全員の名前を繰り返し書くことで、離陸時や乱気流時の不安感に対処しています。利き手じゃないから書きにくくて集中を要し、不安から気をそらしてくれます。そこまで不安じゃないときは外を見ることと用意したエンタメを楽しむことです。さらには到着した先に待っている楽しみなことに近づいて行ってると楽しく想像することなど。ここにざっとアイデアをのせておきます。
- 利き手でない手で家族全員(仲良しグループ全員など、なんでもOK)の名前を書く。
- 事前に用意したエンタメを楽しむ(ドラマ、映画、ゲーム、パズル、本、ポッドキャストなど)。
- 到着した先に待っている楽しいことに、どんどん近づいて行っていることを想像する。
- 頭の中でちょっと難しい算数をする。例えば296から始めて17を引き続けるなど。
- マインドフルネスで普段している瞑想をする(普段して効果があるとわかっていることがポイント)。
- 外を眺めて飛行機がとても安定していることを確認する。
- 事前に見たコックピットの映像を思い浮かべ、どれだけパイロットがリラックスしているかを想像する。
- 隣の人とおしゃべりする。
- 美味しいものを食べる。
- 薬を飲んで寝る。
- とにかく寝る(エコノミークラス症候群にはならない程度には起きて動いてください)。
- 揚力で押し上げられていることを思い出す。
- 飛行機と地面の間にはゼリーがあると思い出す。
- 到着先で何をするかの計画を立てる。
- 愛するペットや家族のことを考える。
- 短歌や川柳を書く。
- 機内でできる趣味のことをする。
- お気に入りの歌の歌詞を暗記してみる。
- 周りの人ですごくリラックスしている人を見つけて、模範とする。
少しでも快適さを心がけよう
事前に用意したグッズも利用しとにかく身体が楽なように過ごしましょう。
- トイレは我慢しない。通路側の席でないなら遠慮なく隣の人を起こす。通路側の人はそれを承知で席を選んでいる、と自分に言い聞かせて勇気をだしましょう。
- のどが乾かないように、エコノミークラス症候群予防に水分を取る。
- 空腹にならないようにスナックを用意しておく(揺れが続くときは食事や飲み物の配布が遅れることも)。
- できるなら真ん中のブロックの通路側に座ると、寝ているときに隣の人に起こされる確率が減る(反対側からも出られるため)のに、トイレには自由に行ける。
- フットレストを利用または持込んで快適に。
- 枕も持込もう。
- 温度調整ができるように着脱が簡単な重ね着をしておく。
- ノイズキャンセレーションのヘッドセットやイヤホンを使って静けさを楽しむ。
- がん寝する予定ならアイマスクも有効。フード付きの服を着てフードで目を隠す技はアイマスクよりストレスがかかりません。
- マスクを着けてのどの乾燥を防ぐ(人によってはマスクつけると逆にストレスの場合もあり)。
まとめ
飛行機に乗るのが怖いというのは多くの人が経験すること。乗ってしまえば自分でコントロールできることはないから何をしても不安感はどうにもならないと思っていた方。実はできることはたくさんあることを知っていただけたならうれしいです。克服も目指さず上手に不安感と付き合いながら、旅行をどんどん楽しんでいきましょう!
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