旅行遅延保険は本当におりる?30時間遅れ!チェイスサファイア旅行クレジットカードの遅延・キャンセル補償の実体験【アメリカ在住者向け】

飛行機が大幅に遅れてしまった時、航空会社の対応は?旅行クレジットカードの遅延・キャンセル補償で何がカバーされる?必要な書類や手続きは?アメリカの旅行クレジットカードで最も人気のチェイスサファイアの遅延・キャンセル補償を申請した実体験を公開。

チェイスの旅行遅延・キャンセル旅行保険で補償されるのは天候、機材の不具合、ストライキ、テロが理由の場合のみです。補償の対象は厳しく条件付けされており、そこにあてはならないと一切補償されません。そこにあてはまらなくても航空会社からの補償はあるかも!

旅行遅延保険は本当におりる?30時間遅れ!旅行クレジットカードの遅延・キャンセル補償の実体験

目次

チェイスサファイア・トラベルクレジットカードとは

チェイスサファイア・トラベルクレジットカードとはアメリカで大人気の旅行クレジットカードです。人気の理由は新規口座開設のボーナスがすごいのと、クレジットカードに付帯の旅行遅延・キャンセル保険です。旅行中の急病や事故などの保険はクレジットカードにある程度付帯することがありますが、チェイスサファイアのように旅行の遅延やキャンセルの補償がクレジットカードに付帯しているといのは稀で、アメリカの旅行クレジットカードの定番の地位を築いています。

年会費は95ドルなので私もこのクレジットカードを持っており、ポイントを貯めるだけでなく急病で予定していた旅行をキャンセルしないといけなくなった時のために毎年会費を払っています。私が持っているのはチェイスサファイアのプリファードです。このほど日本からアメリカに戻る便が大幅に遅れるという事態に遭遇し、チェイスサファイアの旅行遅延・キャンセル保険を申請することになったため、実体験をトラベラーである読者の皆様にご報告していきますが、結論を先に言うと飛行機がキャンセルとなった理由が補償対象にあたらないということで、まったく補償はありませんでした。しかしながらデルタ航空からは手厚い補償がありました。航空会社と旅行保険では補償してくれる状況が異なる部分があり、値段が高くないならやはり旅行遅延・キャンセル保険は持っておきたいと考えました。以下、私が学んだことを詳しく報告していきます。

飛行機が遅れた実体験

機内で乗客トラブル発生

2024年元旦、ミネアポリスへ羽田から帰宅途中の便で、羽田を出発した数時間後に搭乗者の急病またはトラブルにより羽田へ引き返すという事態になってしまいました。

離陸後の数時間後に機長より後方乗客のトラブルにより食事の配布が遅れていると案内がありました。さらに待つことしばらくしてから無事に食事が配られたので安心していたところ、再度、機内アナウンスで乗客の中に長時間のフライトができない可能性がある状況の方がいるので、東京に引き返す可能性があるとのアナウンスが・・・。

その後30分ほどすると座席のモニターのフライト状況の飛行機がアメリカではなく日本側を向いていて、目的地までの到着時間が大幅に減少したことから乗客がざわつきだしました。しばらくしてから機内放送で残念ながら東京に引き返すことになり、空港に到着してからの対応は現在調整中であるとの放送がありました。

どういう書類がもらえるかわからなかったので、旅行遅延保険の申請にいるかもしれないのでとりあえず座席のモニターのフライト状況を写真におさめました。

振替便の案内は機内アナウンスがいち早く正確

デルタ航空が振替便を調整するのに混乱があったのか、アプリや送られてきたeメールでは着陸から1時間後に離陸と表示されていたのですが、機長からアプリは不正確で実際には翌日の夜10時半になると案内がありました。その後、機内アナウンスのあった翌日夜10時半の便の情報にアプリやeメールが更新されました。元々の時間より29時間遅れです。

デルタ航空の対応

空港に引き返した場合でも入国審査・通関は必要

空港に引き返し到着したのはすでに深夜近くなっていました。飛行機が引き返してしまった状況ですが日本への入国審査が必要であり、みんな並んで入国審査を済ませ荷物を受取り、通関します。空港で免税品を購入した人達は何か手続きをしないといけないようで、免税品を購入した人への声掛けが行われていました。

ホテルの割振りはどのクラスも同じ様子

荷物を受取りセキュリティエリアを出るとデルタ航空のスタッフの方がホテルのクーポンを渡すということで、長い行列ができていました。仕方がないので並びます。空港ホテルに到着したら見せる書類を渡され、朝食はついていると説明を受けます。他にも質問したいことはあったのですが、後ろにたくさん人が並んでいるので質問は控えました。

空港ホテルにてチェックイン

ビラフォンテーングランドホテルは空港からつながって歩いて行ける場所でしたが、10分は歩いたので足の不自由な方は大変なのではないかと思いました。残念ながらチェックインも長い行列ができておりここでもかなり待たされたため、お部屋に入れたのは深夜を過ぎて1時半くらいでした。

ホテルのクラスはプレミアムセレクトもメインキャビンもベーシックも同じ

同じホテルに全員が割り振られたようでした。このホテルはお部屋は日本らしく小さいものの、上階に大浴場があり露天展望風呂もあったのでとても良かったです。海外からの宿泊客も多いからか刺青の方も入浴できるのと、宿泊客でなくても温泉施設は有料で利用できるようで休憩室では多くの方がリラックスされていました。

実はミネソタの日本人友達が数か月前に里帰り時に、飛行機の出発が大幅に遅れ日本へ到着したのが深夜になってしまい、同じくこのホテルに割り振られたと言っていました。友人はプレミアムセレクト(またはプレミアムエコノミー)だったので良いホテルに通されたのだろうと思っていたのですが、私はメインキャビンで同じホテルに案内されたのでホテルは同じようです。ビジネスやファーストクラスならもっと良いお部屋に案内されるのかもしれません。飛行機の後方のベーシックエコノミーに座っていた方々もこのホテルに来ていたのでベーシックエコノミーでもきちんと対応してもらえるのだと感じました。

ホテルのチェックアウトの時間

前日に引き返したデルタ航空便ですが機材には異常はないため、翌日に同じ飛行機、クルーと乗客で飛び立つ予定でのようでした。忙しい空港で急に一機を予定に組み込むのは難しいのか、ラッシュが過ぎた頃の翌日の夜10時半に離陸の予定ということでホテルを午前11時くらいにチェックアウトした後、どうしようかと少し心配していたのですが、デルタ航空のスタッフの方からホテルのチェックアウトは飛行機の出発時刻に合わせて夜まで使えるとの案内がありました。デルタ航空にとっては2泊分のホテル代の補償です。

食費

朝食はデルタ航空手配のホテルでクーポン

朝食のクーポンもデルタ航空より出ていたので助かったのですが、これもまた長い行列ができていました。中には行列を無視して入り、勝手に席について食べている人もいたのですが、ほとんどの人は辛抱強く並んで待っていました。

その他の食事については当初は情報なし

翌日の夜10時半出発ということでもちろん朝食だけでなく昼食、夕食も必要になるのですがデルタ航空の人からはそれについての説明はなく、ホテルの朝食のクーポンしかもらえなかったのでここは自腹なのかもしれないと覚悟を決めました。チェイスサファイアの遅延保険を試す良い機会になると考えました。深夜過ぎに羽田に到着したときも少しお腹が空いていたので、コンビニでカップ麺やゼリーを購入。翌日のお昼は羽田エアポートガーデンにある平城苑にて焼肉ランチにしました。

1月2日、JAL機と海上保安庁の飛行機の衝突事故発生

事故発生を家族からのメッセージで知る

1月2日の夜10時半の便なので夜7時くらいにホテルをチェックアウトする予定でいたのですが、家族からの連絡でJAL機が滑走路で炎上している事故のことを知りました。慌てて窓から外を見ると緊急車両が何台も連なって入ってくるのが見えました。テレビをつけてニュースで確認。乗客やクルーの方々のことを心配しつつ、空港に行きデルタ航空の方に出発できるのか聞きに行きました。

空港に向かい状況確認

滑走路はすべて閉鎖されており空港は混とんとした状況になっていました。デルタ航空のスタッフの方々も状況が刻々と変わるので今はなんとも言えないそうで、とりあえず1時間後くらいに戻ってくるように案内されホテルに戻りました。長丁場になるかもしれないと思い、コンビニでおにぎりとお茶を購入しました。

さらなる混乱と遅延

日本時間の6:25PM、事故発生から30分後にデルタ航空からアプリ、メールを通して私の乗る予定の便がさらに翌日1月3日の10:30AMに変更になったと連絡がありました。ほっとしました。飛ぶかどうかわからない便のために何時間も空港で時間を過ごしたくなかったので。少し荷解きをしてもうひと晩泊まるための準備を始めていたのですが、アプリでその15分後くらいに予定通りに本日出発するとの連絡が・・・。正直信じがたかったのですが仕方ないのでもう一度荷物をまとめてホテルをチェックアウトして空港に向かうことに。ホテルの受付の方は本当に飛ぶのか心配してくださって、お部屋は翌朝まで使えるので飛ばなかったらそのまま戻ってこれるとおっしゃってくださいました。

予定より1時間遅れで離陸、合計30時間の遅れ

空港の案内板は機能しておらずデルタ航空のチェックインカウンターは表示のカウンターとは別のところにあり、見つけるのに一苦労しました。ミネアポリス行き以外のデルタ航空便の方々も並んでいましたが、搭乗手続きは停止されていて列は全く動かない状態が1時間くらい続きました。不安になり並んでいた前後の人達と話していたのですが、前日の乗客の方々が大勢ならんでおられたのでまさかこれだけの乗客を置いて離陸はしないだろうと信じて待つしかありません。

予定離陸時刻になり突然、ミネアポリス行きの乗客だけ優先列に移動されいきなり列が動き出し、無事に搭乗手続きを済ませることができました。アプリの離陸時刻は1時間遅れの11:30PMに変更され、セキュリティもすぐに通過したのちバスに乗ってゲートへ向かいます。そのバスにパイロットが乗っていたので、もう大丈夫と安心しました。

座席は前日と全く同じ。クルーも乗客も同じです。隣にいた女子大生が無事に乗っていて2人で喜びを分かち合いました。予定していた滑走路より短い滑走路を使うことになったので重量を軽くするために乗客半分くらい減らしたそうで、機内はガラガラでした。おそらくある一定のところで搭乗手続きを打ち切ったのでしょう。スタンドバイでこの便を急きょ予約することができたと話していた大学生グループが私の後ろに並んでいたのですが、スタンドバイの方々は搭乗できなかったようです。前日の便に乗っていて2日遅れる羽目になった人達には申し訳ないものの、自分は乗れてよかったと本当に安堵しました。

補償の申請と結果

デルタ航空からの補償

デルタ航空からはホテル、朝食、振替便まで用意していただいたので十分に対応していただき感謝していたのですがミネソタに到着したころにはデルタ航空よりお詫びのeメールとデルタ航空にて利用できる400ドル分のクーポンが届いていました。さらに余分にかかってしまった費用の申請のリンクも含まれていました。

このリンクを利用して補償を申請できるのはアメリカまたはカナダ在住の人達のみ。デルタ航空の非により大きな遅れが出た場合(3時間以上)に食費、交通費、ホテル、トイレタリーにかかった費用を申請できるとのことです。事前に支払った到着先での返金のできない宿泊やアトラクションの料金などは補償の対象にはならないそうです。詳しくはこちらでご確認ください。アメリカまたはカナダに住んでいない人は別途、お問合せフォームで連絡し個別に判断されるそうです。悪天候や管制事情など航空会社に非がない場合は補償されません。管制事情とは、滑走路が使えない状況も含んでいるのかどうか気になるところですが答えはありません。

デルタ航空のホームページのスクリーンショット

早速、コンビニやレストランのレシートを写真に撮り、オンライン申請したのですがコンビニでの食費分(計1400円)はすべて返金されましたが、お値段高めのランチは返金されませんでした。ランチの4200円というお値段がおそらく規定を超えたのだと思うのですが、他の食事はコンビニだったので1日分で計算されるのかと思ったのですが、そうではないと判明しました。

実際には乗客の急病やトラブルのために引き返さないといけないという状態は、航空会社には非がないと私は思うのですが、きちんと対応していただき本当に感謝です。

勝手な想像ですが遅れた時間が長くなるほど補償も大きくなっていくのではないかと思います。もし翌日ではなく翌々日になっていたら、乗客の食事代などの補償額がかさみデルタ航空にとっては莫大な損害になっていたのだと思います。そのせいか1月2日の夜の航空便は他の都市へ向かう予定のデルタ便も続々と欠航となるなか、この便は優先的に飛ばすという意気込みを感じました。

旅行遅延保険の申請と結果

デルタ航空で補償されなかった焼肉ランチの分だけチェイスサファイアの旅行遅延保険を申請することに。チェイスのホームページから簡単にできるのかと思ったのですが、デルタ航空からの遅延のメールや補償された額が証明できる書類、レシートも含めるとファイルを7個もアップロードとかなり手間がかかりました。

結果は保険はおりませんでした!旅行遅延保険でカバーされる対象は機材の故障、天候、ストライキ、ハイジャックやテロによる遅延の場合のみというのが理由でした。私の便の場合は乗客トラブルで引き返したことによる欠航・遅延なので対象外。飛行機の衝突事故のため滑走路が使えず欠航されていた便が多数ありましたが、滑走路が使えないというのは機材の故障にはあてはまらないと思うので、そういう場合は無常にも補償が出ないのかもしれません。

結論

旅行遅延保険は飛行機が遅れた場合は機材の故障、悪天候、ストライキ、ハイジャックによる遅延の場合のみしか補償されないということが発覚しました。この理由のうち悪天候以外ならデルタ航空から補償が出ると考えられるので、振替便を待つ間の経費に旅行遅延保険が活躍するのは悪天候の場合のみということかと推察されます。航空会社が補償してくれるのは、あくまで振替便を待つ間の経費であり、飛行機が遅れた結果、キャンセル不可の予定していたホテルが使えなかった、現地ツアーに参加できなかったなどの費用は補償の対象外です。

またこれらの理由で飛行機が遅れたことにより利用できなかった滞在先での宿泊先、ツアーなどの返金の利かない出費については旅行遅延保険が使えるはずです。航空会社はそういった無駄になった費用は補償してくれず、遅延による滞在中に余分にかかってしまった宿泊代、食費、トイレタリーなどの補償のみです。

デルタ航空はしっかりと補償してくれましたが、LCCの航空会社だとそういう補償はない上に振替便も手配してもらえない可能性が十分あります。ミネソタをベースとするサンカウントリー航空は2018年にメキシコからミネソタの便を悪天候で欠航にしたのち、返金だけして乗客は後は自分でミネソタへ行く便を手配しないといけなかったそうです。欠航になった便がシーズン最後の便だったという事情もあったのでしょうが、やはりLCCは使わない方が良いかなと考えさせられたニュースでした。後から政治家の介入もあり、なんらかの補償が出たそう。

もちろん自分や家族、旅の連れの急病や自然災害による旅行のキャンセルや遅延・予定より早い切り上げなどは旅行遅延キャンセル保険が活躍してくれるはずです。

つまり旅行遅延保険は安いなら持っておいて損はないと言えます。チェイスサファイアの旅行クレジットカードについてくる旅行キャンセル・遅延保険は年会費95ドルでついてくるので、やはりキープしておくことにします。今までは遅延で現地にたどり着けなかった、大幅に遅れた場合でも旅行遅延保険があるからと思って返金の利かない宿泊プランなどを選んでいたのですが、考え直すきっかけとなった経験でした。

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