アメリカ本土でもオーロラを見ることは可能?初心者のオーロラハンティングはどのように始めたらいいのか知りたい。オーロラ予報のアプリも知りたい。
実はオーロラはアメリカ本土からも鑑賞することができます。本土でオーロラを鑑賞するにはオーロラアラートアプリや普段からの下調べなど自分で運を引き寄せる必要があります。本記事ではアメリカ本土でオーロラ鑑賞の確率を上げるコツを解説します。
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アメリカ本土でもオーロラ鑑賞できる!オーロラ観測には絶対知っておきたいこと
アメリカ本土でもオーロラが見られるのはどこ?
アメリカ北部がオーロラ鑑賞の可能性高し
北半球でオーロラに遭遇するのは皆さんもご存知の通り北に行くほど確率が高くなります。実はオーロラ鑑賞は北米の方がヨーロッパより緯度の低い場所でもオーロラを鑑賞しやすくなっています。その理由はオーロラ出現に関係する、地球の磁場の中心点が北米側に偏っているから。オーロラは磁場の中心点から入ってくる太陽からのエネルギーが発光する現象なのです。
もちろんアメリカ本土でもカナダと国境を接する州がオーロラ鑑賞の可能性が一番高くなります。可能性が高めの州はミネソタ、ウィスコンシン、ミシガン、ノースダコタ、メーン、アイダホ、モンタナなど。本当に運が良ければここに挙げた州の南の州でも観測できることがありますが、オーロラがかなり強くないと観測はむずかしいためとても稀です。
暗くて北の空を見渡せる場所が良い
アメリカ本土でオーロラを鑑賞するためにはオーロラの強さだけに頼るわけにはいきません。オーロラを見るのに大切なのは光害や曇り空を避けること。大都市付近は光害がひどくオーロラ鑑賞の可能性は限りなくゼロに近いです。街の灯りが雲や空に反射してしまうのです。また、緯度が低い場所からのオーロラ鑑賞は、北の空を見て低いところ、つまり地平線の辺りに見えます。光害が少なくて北側の空の視野を遮ってしまう山などが目の前にないことが大切です。ミネソタがオーロラ鑑賞のスポットとして優れていることは、空を遮る山がないこと、1万5千あるという湖の南側からなら光害がなく遮るものがない空を見上げることができること、晴れの日が比較的多いことも関係しています。例えば緯度が高くても曇り空が多いワシントン州西部ではオーロラ鑑賞の可能性がぐんと下がってしまうのです。
ミネソタ州で車で行くなら北東部のクック郡にあるイーリー(Ely)やグランマレー(Grand Marais)周辺がオーロラ鑑賞だけでなく観光地としても楽しいので人気スポットといえるでしょう。そこまで北に行かなくてもオーロラが強ければミネアポリス市から車で1時間ほどの場所で光害を避ければ鑑賞可能です。2021年11月4日の夜はとても強いオーロラが発生し、ミネソタ全土から鑑賞が可能でした。お隣のウィスコンシン州やミシガン州でもオーロラ鑑賞に最適なのはスペリオル湖の南岸。ウィスコンシン北部やミシガンならアッパー半島(Upper Peninsula)で北側にスペリオル湖を見渡せる地点に立ってオーロラの出現を待ちましょう。モンタナのグレーシャー国立公園なら公園内で人気スポットのマクドナルド湖など、湖の前に立って北側の空が見渡せる場所があります。皆さん、パターンはつかめてきましたね?湖や大草原が広がっていなくても、北側の空を見渡すことができる高い場所に行くことができれば鑑賞できます。
オーロラって真冬のイメージですが実は夏でも発生しています。なぜ夏のオーロラがあまり見られないかというと、日が長いからです。太陽がすっかり沈んで空が暗くならないと見えないのです。冬なら夜の8時でもオーロラが見えますが、アメリカ北部の夏は日が暮れるのが夜の9時近く。暗い時間が短いほど確率が減ってしまうんですね。ましてやいわゆるオーロラ地帯と呼ばれる場所は夏には白夜などがあり、オーロラが発生していても日中は見ることができません。さらに最近、夏に問題なのは森林火災の煙で夜空がかすんでしまい、オーロラ観測がむずかしくなってしまうことです。
オーロラ予報は少しでも読めるように
夜遅くに運転していたらオーロラが偶然見えたなんてラッキーな人もまれにはいます。本気でオーロラを見たかったら運は自分で引き寄せましょう。そのためにはオーロラ予報を読めるようにしておくと、無駄に何時間も運転して収穫なし、といった事態を減らすことができます。オーロラ現象は太陽の活動に関係しています。太陽は約11年ごとに活発な時期と不活発な時期が循環します。その循環の過程で太陽がエネルギーを頻繁に放出する時期があります。エネルギーが地球に向かって放たれると、数日で地球に到達します。そのエネルギーが大気圏に衝突したときに光を放つ、それがオーロラ現象です。地球は磁気で守られており、太陽のエネルギーがまっすぐ大気圏に突入するわけではなく、地球の磁場の中心点付近から大気圏に入ってきます。その中心点がアメリカ側に偏っているのです!しかしこのタイミングを正確に予報するのが難しく、予報が外れることも多々あります。
オーロラ予報を読むのに知っておきたい主なインデックスを解説します。
KP指数(KP Index)は9に近いほどよし!
KP指数とは太陽から放出されたエネルギーが地球の磁場に起こす乱れの強さを表すものです。ゼロから9まであり、高い数値であるほど磁場の乱れが強く、オーロラ発生の可能性が高くなります。この数値が高いほど北緯の低いところでもオーロラを鑑賞することができます。長期的な予報は難しいですが、3日間の予報なら太陽でエネルギーが放出されてからの予報なので長期予報より正確になります。指数は生で更新されているわけでなないのでKP指数だけに頼るのではなく、他の要素も加味しましょう。
2021年11月4日にミネソタ南部でも素晴らしいオーロラを観測できたのはKP指数が6~7でした。私はKP4程度でもきれいなオーロラを見ることができています。米国海洋大気庁(NOAA Space Weather Prediction Center)が予報を公開しています。下はNOAAが公開しているKP指数のガイドです。磁場の乱れ・太陽風の嵐の程度が左から右へかけて活発さを増していく様子を解説しています。私がいるミネアポリス付近だとKP5くらいからオーロラ発生の見込みがありそうでKP7だとかなり確率が高く、KP9だったらオーロラを探しに行かないのがもったいないような稀な確率の高さであることがわかります。
- 3=静かなオーロラ
- 5=そこそこのオーロラ
- 7=活発なオーロラ
- 9=すごく活発なオーロラ
2024年5月10日はKP8~9が夜の時間帯に発生しました!なんと観測の可能性は95%!ここまでKPが高い場合は北の空ではなく真上やどの方向を見てもオーロラを見ることができます。つまり北側に開けている場所を探す必要がなくなります。これがその時のオーロラを見れる確率を示したアプリの画面と私の上空真上を撮影した写真です。オーロラが全方向に流れる姿を初めて目の当たりにすることができました!光害があまりない場所に来たはずなのに空が明るく見えたのはオーロラのパワーだったようです。
オベーションオーロラ予報(Ovation Auroral Northern Lights Prediction)とGレベル
こちらはもっと短期の予報で、現在オーロラが現れている場所とその後の短期予報をマップで示してくれます。天気予報のレーダーと同じような感覚で使うことができます。このマップで見えるオーロラの輪がアメリカ本土に到達しているときがチャンスです。米国海洋大気庁(NOAA Space Weather Prediction Center)が予報を公開しています。
2024年5月11日のNOAAのホームページ(スクリーンショット↓)を参考に説明していきます。THE AURORAと表示されている右下の部分がオベーションオーロラ予報です。クリックすると時間ごとの予報を見ることができます。小さいので見づらいですがミネソタを含め多くの北部の州がすっぽり赤い輪に収まっています。KP指数が高くオーロラを見れる可能性が非常に高いということを示しています。オレンジもかなり確率があり、グリーンでも私は何度もオーロラを観測しています。
スクリーンショットの左上に「またもやG5に到達しました!」とアナウンスがあります。これはGeomagnatic Storm (太陽の磁場の嵐)の強さの評価でG1~G5まであります。この数値が強いほどオーロラ発生の可能性が高く広範囲で強いオーロラを見ることができます。G5は非常に稀で今回の2024年5月10日~11日の前にG5 が起きたのは2003年10月31日です!なんと21年ぶりの大きなイベントなのです。
- G1:小規模な磁場の嵐
- G2:中級
- G3:強い
- G4:非常に強い
- G5:猛烈に強い
太陽風の向き(Bz指数)はマイナスがよし!
これは太陽から放出されたエネルギーがどの方向に向かって地球に入ってきているか、またその磁気の強さを示しています。南向きにエネルギーが入ってくると地球の磁場に乱れを起こし、オーロラが発生します。北向きだと地球の磁場と交差せずオーロラが起こりません。Bzがマイナスの数値だと南向きに入っていることを意味しています。Bzが下がっていなかったら室内で長い夜に向けて休憩してもいいでしょう。
Bt指数は高いほどよい
太陽から放出されたエネルギーの強さを表しています。この数値が高いほどエネルギーが強く、地球の大気圏に衝突するときの光も強くなります。Btが20nT(ナノテスラ)を超えると強い数値といえます。私は正直この指数は全く無視していますがオーロラに何度も遭遇することに成功しています。
太陽風のスピードは速いほどよい
太陽風が地球の磁場にぶつかるスピードが強いほど、オーロラの発光も強くなります。私は知識としてだけは知っていますが、まったく気にしていません。
オーロラが見えやすい大気の状態
これらの条件がすべてクリアできるとオーロラ観測の可能性がかなり高まります。最後の難関はオーロラが発光している大気圏と自分のいる場所の間に存在します。
雲がなく空が澄み渡っているとよい
まずは自分のいる地域の天気予報を確認しましょう。オーロラ発生の好条件がそろえば雲のないところまで運転していくくらいの意気込みが必要です。雲のレーダーを見て、どのタイミングで雲が切れるかを見極めましょう。オーロラ予報のアプリでは雲の状態とオーロラの予報を重ね合わせることで、晴れていてオーロラが見える確率が高い場所を割り出すことができます。また私が利用しているMy Aurora Forecastアプリは雲がどの程度あるかを時間ごとに予報しています。左下がオベーションオーロラマップ、右がわかりやすく確率にしてくれている予報とどの程度雲で空が隠れてしまうかの予報です。
光害のない暗い空がよい
さらには光害マップを雲のマップと一緒に見ることで、夜空が暗くて天気は晴れている場所を割り出すことができます。光害はお天気と異なり、安定しているので事前にどこが暗いか目安をつけておきましょう。ピンク、赤、オレンジ、黄色、緑、青、グレーの順で光害がひどい→光害が少ない。私はオレンジくらいのとこでもオーロラを見ています。
空気が澄んでいて見通しがよい
せっかく空が澄んでいても地面の辺りの湿度が高く霧が出ているともちろんオーロラを見ることができません。最近、夏にオーロラを見るバリアとなってしまっているのが大規模な森林火災です。ミネソタでは最近、カナダやミネソタ北部での森林火災の影響で大気汚染が発生、霞がかかってしまってせっかくのオーロラ観測のチャンスを逃してしまうと言う事態が発生しています。
おすすめのアプリやソーシャルメディア
お知らせしてくれる無料オーロラアプリならMy Aurora Forecast
NOAAのリアルタイム、オーロラ予報は必要な情報が見やすくまとまっています。ここまで自分で全部できればオーロラハンターとしては中級者といえるのではないでしょうか。そんな人でも様々なアプリを駆使しています。アプリのいいところはアラートが出ることです。マイ・オーロラ予報アプリ(My Aurora Forecast)がおすすめです。 KP指数、オベーションオーロラマップ、今晩の曇り空の予報、オーロラ観測の確率をパーセントで示してくれるのでわかりやすいです。
私はこのアプリをダウンロードしてまだ数年ほどですが、ミネアポリスでも何回かアラートが出ました。私は光害がひどい場所に住んでいるのでアプリで教えてもらってから行動すると間に合いませんが、暗い地域に住んでいる方ならアラートが出てから行動しても見れるのでしょう。日中からすごく強くオーロラが発生している(目には見えません)場合は、日中に今晩チャンスがあるとアラートが入ることもあります。アメリカ北部の州に在住の方々はぜひアプリをダウンロードしてみてください。場所の設定を変えることができるので、いくつか運転していけそうな場所に設定して確率が上がるか、雲が晴れるかみてみましょう。
光害マップなら無料アプリGood to Stargaze
さらに最近利用しているのが星空観測の無料アプリのGood to Stargazeです。オーロラのアプリではありませんが雲の状況や光害マップ、視界の良さを気軽に見ることができるので利用しています。赤が一番光害がひどく、オレンジ、黄色、緑、青と光害が少なくなっていきます。
フェイスブックのオーロラ観測グループの活用
地元のオーロラ・ハンターたちのコミュニティに参加することをおすすめします。オーロラハンターたちのフェイスブック・グループが地域ごとにあるはずです。こういったコミュニティには上級のハンターたちもいて、オーロラが観測できそうな日には多数の投稿があり、オーロラ予報を自分で毎日チェックする手間が省けます。人によってはどこでオーロラを鑑賞できたか詳しく投稿してくれる人もいるので、場所がわかったら日頃からグーグルマップに保存しておきましょう。ほぼライブで写真と場所をアップロードしてくれるメンバーもいます。近くにいたらすぐにそちらに向かうことができます。
オーロラ鑑賞当日の準備
肉眼ではどんな風に見えるのか知っておこう
オーロラの写真を見てカラフルな色に魅了され、そういう風に見えると思ってあまり注視せずに空を見ているとオーロラを見逃す可能性が高いです。カメラのレンズは人間の肉眼よりも多くの光を取り込むことができるので、オーロラの色を肉眼よりも強く映す傾向があります。オーロラの色は磁場の嵐により起こる酸素と窒素の活性化の比率など複数の要素で変わります。私の個人的な経験では紫やピンクよりもグリーンやクリーム色っぽいオーロラを多く見ています。また空があまり暗くないと色がしっかり見えません。人により色の感度も異なり私には紫が見えても、一緒に見ていた友人には紫が見えないということもありました。また目が暗闇に慣れていないと色の感度が落ちるので注意が必要です。光はとにかく少なく、暗闇でオーロラ出現を待ちましょう。スマホの明るい画面を見つめるのもなるべく少なくしましょう。
参考までにカメラで写したオーロラ(iPhone 13のナイトモード)と肉眼で見たイメージに近づけるためにわざと色を抜いた写真を載せています。空を見ていてぼんやりと何かが出現しそれが動いていたらオーロラである可能性が非常に高いので、カメラで写真をとって確認しましょう。
スマホは必須
現代のオーロラ鑑賞にはウェブアクセスやアプリが強い味方です。携帯のバッテリーは充電して、できれば予備のバッテリーも持っていきましょう。気温が低いとバッテリーがすぐに切れてしまうので、注意が必要です。携帯は胸のポケットに入れて温めておいてくださいね。光害のない場所は携帯の圏外なことも多々ありますので、圏内にいるときに事前に調べておけることは先に調べておく、ダウンロードしておくことも大切です。
オーロラが鑑賞できそうな場所はできれば事前にマップで保存しておきましょう。湖の周りに行ってみても、公共のアクセスがないなどの事態がたびたびあります。公共のボートを出す場所(public boat launching)なら車で乗り入れることができるので、マップで探してみてください。州立公園などだと公園内でキャンプしていない限り夜は入園ができないこともあります。きちんと下調べが必要です。暗いと駐車できるのかどうかを見極めるのも難しいことが多々あります。できれば明るいうちに到着して下調べをしておくとよいでしょう。
カメラを駆使してオーロラ発生を確認しよう
先に述べましたがオーロラはカメラのレンズを通して見る方がきれいに見えます。レンズは人間の目よりも優れているからです。オーロラがそこまで強くないと、肉眼でははっきりとは見えませんが、北の空の雲がいつもと少し違う様子だったら、写真を撮って見てみましょう。強くない、または光害がある場所でのオーロラは肉眼では雲、モヤのように見えます。最近は携帯電話のカメラも性能が良くなっており、新しいiPhoneのカメラでもきれいなオーロラの写真を撮ることができます。シャッタースピードは光をとらえるためには、ゆっくりめになり手ブレが起こります。携帯のカメラで撮るときも三脚があるときれいに写真を撮ることができます。やはりそれなりに性能の良いカメラを持っていると素敵なオーロラの写真も撮ることができます。せっかくオーロラを鑑賞しに来たのに、カメラの設定をいじるのに時間をとられてはもったいないので、事前に設定してから外に向かいましょう。後は温かい服装、毛布・寝袋、キャンプチェア、温かい飲み物、カイロ、トイレグッズなどを用意して、オーロラを探しにいきましょう!
光を避けよう
オーロラが出ていても目が暗闇に慣れていないと見えない可能性も。オーロラ鑑賞をする場所では照明を消して待ちましょう。車がやってきたらヘッドライトが目に入らないように、目をそらしてください。ヘッドランプや懐中電灯を使う場合は赤い設定にすると、目が暗闇に慣れた状態に影響しません。スマホを見るときも暗めの設定にしなるべく見つめすぎないようにしましょう。
まとめ
アプリやソーシャルメディアのおかげで素人でもオーロラ情報を入手できるようになりました。北部の州に住んでいる、休暇で訪れるときはぜひアプリを入手して、地元のオーロラグループのフェイスブックのグループにも入れてもらって、オーロラ発生・観測の可能性をチェックしましょう。一生に一度はオーロラを見たいですよね!成功した方はコメントお願いします↓。
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