キャンパーバンはレンタルするより買うのがお得!【実際にかかった費用も公開】中古ワゴン車をDIY

長期のロードトリップに行きたい!でもキャンピングカーはレンタルしたら高いし、自分達で中古のワゴン車をキャンピングカー仕様にして、旅行してから売るのと、レンタルするのとどっちがお得なんだろう?体験談を聞かせてほしい!

キャンピングカーのレンタルはホテル代+レンタカー代です。けん引できるタイプはそれより安いですが、馬力のある車が必要。長期旅行の場合は自分達で中古車をキャンパー仕様にすることで費用を抑えることができます。

目次

憧れのバンライフは意外にお値段が高くついてしまいがち

バンライフとはいわゆるキャンパーバンと呼ばれる、キャンピングカー仕様のワゴン車で自由に旅をすること。従来のキャンピングカーよりも小型でDIYでお家のようにかわいく内装をしたバンライフの様子をインスタやYouTubeで発信した人たちがいて何年か前にブームに火が付きました。

魅力は何よりも思いついたらバンを運転して好きなとこに行ける自由を手に入れられること。必要なのは駐車するスペースだけ。朝起きた瞬間から雪を頂いた山を見ることができる、ビーチのそばにバンを停めてコーヒーを飲みながら朝日を眺める、そんなインスタ映えするイメージです。そんな絶景のスポットに宿泊するのにも関わらず、高級なホテルの値段を払わなくても良い、テントと違い雨の中、濡れたテントをたたまなくていい、運転席に移動して運転開始するだけ、運転中に疲れたらサービスエリアでも駐車してわりと快適に寝ることができる、そんなメリットもバンライフにはあるのです。

最近では少し下火のようですが、ここ何年かバンライフがブームでその様子を動画配信してすごく稼いだユーチューバーなんかもいたりして。そんな人たちに感化されてか私もコロラド旅行中にミニバンをレンタルして旅行してみました。それでわかったのですが、レンタルの費用が思ったより高い!私の結論としてはキャンパーバンのレンタル費用はこんな感じです。

キャンパーバンのレンタル費用=レンタカー+ホテル代(場合によってはさらにキャンプ場料金もプラス)

さらにコロナ禍でキャンプブームが到来し、キャンピングカーのレンタル需要が大きく伸び、レンタル費用も上昇!さらにインフレが到来し、レンタル費用のみならずガソリン代も高騰とダブルパンチを受けています。そんなとき自然と思うのはこの疑問↓

自分で車を買ってキャンピングカー仕様にして乗り回してから、売った方が安いのかも!?

思い立ったらやらないと気が済まないタイプのTabindoが、中古ワゴン車を自分達でキャンピングカー仕様にして、旅行後に売った体験を公開していきます。

コロラド旅行ではミニバンのキャンパーバンをレンタル体験。これが私たちのバンライフの始まりでした。

完成品のキャンパーバン購入のメリット・デメリットとは

まずは一般の人ならキャンピングカーの購入を検討することから始まるのではないでしょうか。キャンピングカーが届いたら、荷造りしてすぐに旅行に出かけられるそんなメリットがあります。それにプロが作ってくれたものですから、使い勝手も工夫されているし、見た目もDIYよりずっときれいです。このオプションが向いている人はお金があって手間をかけたくない人

高級なイメージのエアストリーム社からキャンパーバンを購入すると一番安くて小さいタイプで20万ドルから(単純に1ドル100円だったら2千万円)です。もう少し安いものでも新しいキャンパーバンならざっくり12万ドル(1千200万円)はかかるようです。テレビのスクリーンやシャワー、トイレ、キッチン、冷暖房もしっかり装備されているものです。

もう少し節約したい方は自分でワゴン車を業者に持込んで、内装をキャンピングカー仕様にしてもらうパターン。料金はどれだけ内装を整えるかで変わるので、シンプルにすれば2万ドル~3万ドル(200万円~300万円)程度で節約することができます。ここでお金を惜しまずにすると8万ドル~10万ドル(800万円~1千万円)くらいかかってしまうようです。これは改装にかかる料金であり、もちろん自分で用意するワゴン車は別料金です。

もちろん一番節約できるのは自分達でキャンピングカー仕様にすること。しかしこれには時間、労力、スキルが必要です。

キャンパーバンを不動産として考えてみたら、資産価値あり

アメリカでは住宅を購入し、後々に価値が上がってから売って資産を作るのは一般的です。平均的な家庭で一番の資産は不動産と年金の積立口座と言われています。よく聞くのが、「住むとこはずっと賃貸しても資産は増えないよ」。そうなんです。賃貸住宅に住んでいたら毎月家賃を払ってそれでおしまい。家を購入してローンを払ったら、毎月自宅がその分だけ自分のものになっていくんですよね。そしてその家を売るときに、価値が下がっていなければ結局その分お金が返ってくるのと同じ。もし土地や家の価値が上がっていたら、さらに儲かるわけです。なので内装が古ぼけた家を買って、きれいにリフォームして数年住んでから売るとすごく高く売れたなんて話はアメリカではよくあるわけです。

余談ですがアメリカでは持ち家を買うことを制限されたマイノリティの人たちが、子孫に資産を継承していくことができなかったという歴史的事実が現在もマイノリティの人達が貧困層からなかなか抜け出すことができない負のサイクルを作り出した一因といわれています。

それならばワゴン車を自分達でキャンパーバン仕様にして、それから売ったらうまくすればお金を稼ぐことができるのかもしれない。中古車の価値が低い日本だったらきっと無理なんだろうなと思いますが、アメリカだとどうなんだろう?ここで資産価値を上げて、旅行後に高く売れたら、旅行も楽しめて、お金も稼げて一石二鳥です。もし高く売れなくても、買った時と同じくらいかちょっとマイナスの値段で売れたら、旅行が楽しめたのだから、それでも勝ちだと思ったのです。

新車のキャンパーバンを買って、使用後に売ったとしたら必ず価値は下がります。あくまで価値が上がる余力を残しているものを購入しないといけません。なので中古車を買って、キャンピングカー仕様に自分達ですることに決めたのです!

中古のワゴン車を買って、自分達でキャンピングカー仕様にしてみよう

まずはスペースの間取りを決めることからDIYは始まりました。

中古車を買って自分達で作業してキャンピングカーにするには、時間、労力、スキルが必要です。残念ながらここに早道はありません。幸いパートナーは手先が器用で大工仕事が得意。自営業の仕事が減っていて時間もあったので、大工仕事を頑張ってもらうことになりました。果たして本当にキャンパーバンを実際にかかった費用より高く売れるのでしょうか?

もちろん初めに必要になるのはキャンパーバン仕様にする車。私たちの愛車は小型のSUVなので、新たに中古車を買う必要がありました。乗用車を買うと後部座席を取り外したりと作業が増えるので、できれば後部が空っぽの車をということで営業車・作業車を購入することに。キャンパーバン仕様にするワゴン車で人気なのはだいたい3つです。

  • メルセデスのスプリンター
  • フォードのトランジット
  • ダッジのプロマスター

それぞれ良しあしがあり、私たちは手に届く値段で、広く普及していて中古車市場が十分に熟成しているという点でフォードのトランジットをセレクトし、4年落ちの作業車を購入。購入時のマイル数は35,000マイルでした。

まずはおおまかな費用の概算

フォードトランジットのワゴン車20,000ドル
ルーフラック1,500ドル
コンポスト・トイレ900ドル
給湯設備200ドル
ソーラーパネル400ドル
バッテリーとインバーター300ドル
キャンパーバン用の簡易冷蔵庫100ドル
その他木材、布、シンクなど諸々6,600ドル
合計約30,000ドル

一つ一つはそこまで大きくなくても、合算すると結構お金がかかってしまいました。スーパーに行って一つ一つは高くないものなのに、色々買っていざ支払いのところでちょっとびっくりする額になってしまう、そんな感じです。実際にやってみると、キャンパーバンを作るプロではないので、布が足りなかったり、ちょっとやり直す羽目になったりする場面もあり、少しお金が余計にかかった部分もどうしても出てきます。

かかった時間

コロナの影響でパートナーの自営の仕事がちょうどほとんどなかった時期だったので、平日は朝からずっとワゴン車内の作業をしていて、だいたいかかった時間は2か月くらいでした。その後、使い勝手を試してからの微調整を繰り返していきました。私のパートナーはやり始めるととことん勢いよくするタイプなので、普通の人でしかも週末だけ作業を行う場合はそれこそ半年くらいかかってもおかしくないと思います。

超シンプルな造りならもっと早くできたと思います。私たちのキャンパーバンはちょっと汗を流す程度に簡易のシャワーを付けたり、助手席をくるりと回して居住スペースの椅子として使えるようにしたり、屋根に上ってくつろぎたいからデッキを付けるなど、少しだけ贅沢をしたのでもう少し時間と労力、お金もかかりました。私は全く大工仕事のスキルがないので、パートナーが一人で作業をしていたので、複数人で頑張れるのならもっと早くできると思います。

バンライフを楽しむ

いよいよキャンパーバンが完成。私はフルタイムで働いていているので何か月もバンライフを楽しむというわけにはいかないのですが、それでも仕事のお休みを利用しながら近場で短いながらもバンライフを楽しんでみました。

まずは完成したのが冬だったので、クリスマスを利用してのあえてミネソタでの冬のキャンプ!運よく0℃程度のミネソタにしてはとてもマイルドな気温だったので、問題なくエンジョイすることができました。キャンパーバンでの冬キャンプはテントより絶対快適!ミネソタの冬でしかもクリスマスにキャンプする物好きな人なんてあんまりいないので、州立公園のキャンプ場を独り占めでした。コンセントつきのキャンプ場だったので、スペースヒーターを付けて、日中はスノーシューを楽しみ、近くの街で美味しいものを食べ、キャンパーバンがあればキャンピングシーズンを延長することができるとわかりました。

夏が来ると思いのほか猛暑がやってきたので、週末の天気予報を見て暑かったら、さっさとスペリオル湖畔のノースショアへ避暑しに行きました。人気のリゾート地なだけあり、夏の週末は通常はキャンプ場も何か月か前から予約しないと空きがないし、ホテルも急に予約しようとすると高いので、キャンパーバン以前にはできなかったワザです。とりあえず行ってみて、運よくキャンセルがあればキャンプ場に泊まる、キャンセルがなければ夜間の駐車OKの場所やレストエリアに停めて寝ればいいだけなので思い立ったら急に旅行に行くことができます。ハイキングなどして汗を書いたら、目の前のスペリオル湖に飛び込むか、キャンパーバンの中でシャワーを浴びればよいだけ。その夏はノースショアに足しげく通ってしまいました。さらに何度も行けば行くほど、どこに無料でバンを停めて寝泊まりできるかがわかってきて、確実にストレスを減らして楽しむことができました!

バンライフのマイブーム終了

そうやって1年半ほど週末バンライフを楽しんだのですが、アウドドア欲が徐々に満たされて、やがて私たちの中のバンライフ・ブームが徐々に下火に。何しろ、ミネソタに住んでいると残念ながらキャンプできるシーズンが短いのです。0℃くらいならいいのですが、マイナス15℃とかになるとわざわざキャンプするより暖かい家かホテルに滞在したい。それに長くキャンパーバンを持っているとちょっと気になることが出てきました。細かいことですが例えばキャンパーバンがガレージの前をふさいでいて、いちいち動かしてからでないと愛車を出せないとか(ガレージには車高が高すぎて入れられない)、毎月のローンの返済が気になる、とか。普段使いの愛車と比べると燃費が悪い、ルーフラックも合わせると車高が高いのでお出かけ時には駐車場を選ぶなど。ミネソタの長い冬の間はあまり使い道がない・・・。もちろんこれはカリフォルニアとか南部の州に住んでいれば問題ないことです。悲しいことにミネソタから暖かいとこまで一日中運転しても2日くらいかかってしまうのでキャンピングシーズンが長い州とは状況が異なるのです。すべて当たり前のことなんですが、それが長期間にわたってくるとちょっと気になるもの。まだ1~2か月といった長期旅行もできないので、とりあえずまだ新しくてマイルも少なくて価値が高いうちにこれを売って、長期で旅行できる時期が来たらまた買えばいい、という決断をしました。

使用済みキャンパーバンを売ったらかなりの収益が出た

どこでキャンパーバンを売るか?

キャンパーバンを売るにも色々な方法があります。キャンピングカーを扱うディーラーに売ったり、フェイスブックのマーケットプレース、キャンピングカーの売買を目的としたサイトなどを利用した方法があります。

まずはフェイスブックのマーケットプレースを試してみました。全くの匿名よりも安心感があるからです。パートナーはキャンパーバンの作成中、いくつかキャンパーバンのFBグループにも入っていたので、その経由で売りたいという希望もありました。それを見てコンタクトしてくれる人は何件もあったのですが、いざ買うとなると安い買い物ではないので、「買いたい」と申し出た人は何人かいたものの、ローンを組めなかったりしてなかなか買い手が決まらない状態が続きました。また見学に来た人達の中で背の高い人は、ミドルルーフの私たちのキャンパーバンでは車内での快適さが減るので購入につながらないようでした。

次にトライしたのは有料で広告を載せることができるAutotraderというサイトです。100ドル払って、売れるまで掲載できます。こちらに載せると近郊の州からも問い合わせが何件も舞い込んでくるようになりました。毎週のように複数の人がキャンパーバンを見に来て、中には遠方から何時間も運転して見に来てくださる方々も。ただやはり普通の中古車と比べてお値段がかなりはるので、欲しくてもローンを組めないことが多いようです。推測ですがキャンピングカー仕様ではない普通のワゴン車としての分しかローンが組めなく、差額をキャッシュで用意するか、不動産などを抵当に入れてローンを組む必要があったのかと思います。

最終的にはお隣の州に住む小さいキャンピング・トレーラーからアップグレードしたいという50代のご夫婦からの購入が決定。すでにキャンピング・トレーラーを楽しんでおられた方々で、小さいスペースを活用してのロードトリップ慣れしておられる様子。身長もあまり高くなく、ミドルルーフでも全然大丈夫でした。外でくつろぐためのオーニング(awning)を付けたいということで、パートナーが雇われて取り付けを行ってからの引き渡しとなりました。最終的な販売価格は49,000ドルだったので、約19,000ドルの利益(約200万円)でした。販売時のマイル数は55,000マイル。2万マイル分、楽しめたということですね。1年半、何度も旅行も楽しめて十分満足の行く結果でした!

売るときは詐欺もあるので気を付けよう!

キャンパーバンを販売しようと情報を公開していると、詐欺に狙われてしまうことも。お金はキャッシャーズ・チェック(銀行が個人に代わって発行するもの)で受取り、必ず金額が全部口座に振り込まれてから、もしくは銀行に電話して本物のチェックであることを確認してからキャンパーバンの受け渡しをしましょう。もちろん取引の初期にデポジットとしていくらか受け取ることも大切です。最終購入者のご夫婦は4,000ドルほどをデポジット(前払い金)として支払ってくれました。

実はその2週間ほど前に、ニュージャージー州にあるという会社から連絡がありキャンパーバンを購入したいので、小切手を送ると言われ小切手が届いたのです。近郊の州でもなかったのでちょっと怪しいと思っていました。小切手はなんと提示価格より何千ドルも多く切られていて、さらに怪しい雰囲気。電話で話したところでは、キャンパーバンをミネソタからニュージャージーまで移動させるのに業者を雇ったから、送ったチェックから余分の分であった何千ドルかをその業者に渡してほしいと言われました。とりあえず銀行に持っていくと、何日も金額が振り込まれず、その後、いわゆるバウンス(小切手発行元の銀行口座に十分な金額がない時に起こる)してしまいました。バウンスしてしまうとこちらも銀行手数料を25ドルほど取られてしまいます。その後、この会社をネットで調べて明記してある番号に電話してみると、そういう小切手を切ってもいないし、誰かがこの会社の名前を勝手に使って詐欺行為をしようとしているのは周知しているが対策がなかなか難しいということでした。

同時進行でカリフォルニアにいるという人からも連絡があり、唐突に小切手が送られてきました。こちらも提示価格を大幅に上回る金額です。電話がかかってきて、妻が間違った額で小切手を切ってしまったので、差額を送り返してほしいと言ってきます。こちらも非常に怪しい。キャッシャーズ・チェックだったので、発行元の銀行に電話して確認を取ったところ、小切手は偽物でした。この間、両方の人から何度も電話がかかってきてせかされました。きっと同じ人だったのではないのかと思います。最近は声を変えるアプリとかもあるんですよね?もしくは犯行グループ。そうやってせかして、判断力を鈍らせるのが目的なのでしょう。後日この話を同僚にすると、なんと同僚も何か大きなものを売ろうとしたときに、全く同じような手口での働きかけがあったとのことです。どんな時代になってもこういう犯罪者はいるのが悲しい現実であり、自分の身は自分で守るしかありません。

まとめ

キャンパーバンをDIYできる時間、労力、スキルがあるなら、中古ワゴン車を購入して自分で改装し、バンライフを楽しんだ後に売るというのはとても経済的な選択肢であると言えます!私たちが購入したのはミニバンではなくそれなりにスペースのあるフォードのトランジットで、トイレと簡易のシャワー、シンク付き、ルーフトップのデッキありでした。この程度のキャンパーバンをレンタルするとひと晩で300ドル以上かかります。合計で20日間、寝泊まりしたとすると6,000ドル以上かかるわけです。そう思うと好きなだけめいっぱい楽しんで、しかも利益まで出たので、十分に価値があったと思います。私たちは思いついたときに自由に旅行したかったので、キャンパーバンを他人にレンタルすることはしなかったのですが、もしレンタルしたならばそこでも利益が発生したわけです。もしもっと長期での旅行を考えている、レンタルするのに抵抗がない、数か月の長い旅の後に売りたいならぜひ検討してもよいでしょう。

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この記事を書いた人

ミネアポリス在住。アメリカの大自然や多文化に魅了された旅ブロガー。アウトドア系の旅行が特に好きで一人旅も多い。ちょっと怖がりなのでそれを克服する動機としてブログ開設。小心者の視点からのブログで同じような性格の女性にもアメリカ旅行を身近にしていきたいと願っている。

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