【緊急報告】感動!夏のアメリカ本土でオーロラと出会う!失敗からの逆転で人生初めてのオーロラを見た体験談!

Photo taken by iPhone 12 Pro Max

アメリカの本土でしかも夏にもオーロラが観測できることは以前のブログで紹介しました。2022年9月、アメリカの労働者の日(Labor Day)の週末になんとオーロラが出現!アメリカ本土でも観測ができる強さで、連休だったこともあり北部の州にいた多くの人がオーロラを楽しむことができました。ついに私もオーロラを体験することができました!いつかオーロラを見たいと思っているアメリカ本土の在住者は多いはず。少しでも多くの人にオーロラの女神に微笑んでもらいたく、うれしい体験談を紹介します!

目次

KP6の強いオーロラ発生初日(2022年9月3日夜)の失敗

2022年9月3日、アメリカ北部で素晴らしいオーロラが観測されました。夏の終わりの快適な夜にしかもオーロラが一番強く長時間観測されたのは3連休の土曜日の夜。ミネソタ州南部でもオーロラが観測される事態となりました。それなのに、私は見逃してしまうという大失態をやらかしてしまったのです。

地元のオーロラハンターのグループが活発になる

2022年9月1日に地元のオーロラハンターのフェイスブック・グループに太陽が地球側に向けてエネルギーを発しG2(中級)の太陽風の嵐が9月4日頃に地球に到達する可能性があると投稿がある。気を緩めてしまい9月3日にKP指数が6になるかもしれないということを当日のお昼頃にアプリで見て気づく。太陽風の嵐が地球に到達するのに数日ずれるようなことはよくあることなのに、油断してしまっていた。

「どうせ見えないだろうし遠くまで運転したくない」のハードル

その日は私にとっては長距離(片道45分程度)運転をしていたので、夜中にまた片道1時間半運転するのが面倒でつい「どうせ見えないだろう」と自分のモチベーションを下げてしまう。就寝前にフェイスブックをチェックすると、オーロラが発生していると投稿している人がいたけれど、「じゃあもう間に合わない」とマイナスの方向に思いそのまま就寝。

それでも気になって短期予報で朝4時頃に一番確率が高かったので、3時半ころに起きてアプリをチェックするとKP指数が予想通り6。フェイスブックをチェックすると「4時間ストレートにオーロラが踊ってる!」、「こんな街中でも見えるなんて信じられない!」とミネアポリスから20分ほどで行ける場所でも観測している人がいると発覚。いてもたってもいられなくなり、とりあえず自宅の裏庭から写真を撮影してみると緑の光が空に写り、もう少し暗いところを見つけないといけないと慌てる。

これは別の日ですが、強いオーロラが発生したときに自宅の庭から撮影したものです。左がナイトモードで撮影した写真、右が撮影後の写真のサチュレーションを上げてオーロラが出ているかどうかを確認した写真です。緑と紫の光がうつっているのがわかります。

急遽、出動するもすぐにくじける

ここで慌ててとりあえず市内だけれでも、近くの湖に行ってみようと出動!(湖なら北の空を見渡せるし、光害が少なくなる。)車で5分の近くの湖に着くと都会の公園なのでなんと夜は公園が閉まっていて駐車禁止。とりあえず湖の周りを運転して北の空が見える場所を探したものの、誰もいないはずの公園で一人だけ男性が歩いており怖気づいてしまう。写真を車の中からとってみたものの何も写らず、少しだけ遠くに行くことも考えたけど、慌てて出かけたため運転免許証も忘れていたし、くじけて帰宅。

失敗の反省点を洗い出す

翌朝フェイスブックのグループをチェックすると、続々と信じられないようなきれいなオーロラが投稿されており、こんなに大きな夜を逃してしまったことを猛烈に後悔。しかもミネアポリス市内の湖からオーロラを観測して写真撮影した人もいて、ますますがっかり。今後に向けてどんな要素が精神的ハードルとなったのかを洗い出すことに。

  • ただでさえ夜中の運転は不慣れなのに、そこに加えて知らない田舎の道路を走ることへの抵抗感。
  • たどり着いた場所でオーロラ観測に適した場所をすぐに見つけられないかもしれないという不安感。
  • かといって慣れた市内の湖だと防犯面で田舎より怖いかもしれないという不安。
  • 真っ暗な場所にたった一人かもしれないという恐怖感
  • 行っても見えない確率の方が高いから無駄足を踏みたくないという抵抗感。
  • 帰り道に眠くなりすぎる不安
甥っ子がちょうどその日にキャンプをしており、トライもしてないのにこんな素敵なオーロラを見ることができました。写真は甥っ子のiPhoneにて撮影。

対策を練りだす

反省点を洗い出したのち、それぞれの精神的ハードルへの対処法を考え出す。

  • 夜道の田舎道の運転への抵抗感
    • 日中でも慣れない道の高速運転が苦手なことに着目し、運転スキルのYouTubeビデオを見て勉強する。
    • 目の前も注意が必要だが、自分が行く先のもっと前方の状況を知ることで運転の不安も減ると学んだので、もっと前方を見るよう心掛けることに。
    • 携帯電話のナビだけでなく、もっと大きな画面のカーナビのマップ機能で前方に隠れるカーブや交差点を早めに知ることで夜の運転の精神的不安を和らげる。
    • パートナーの実家の近くのオーロラスポットを選び、日中に移動し夜間の運転距離を短くする
  • たどり着いた場所でオーロラ観測に適した場所をすぐに見つけられないかもしれないという不安感。
    • わかりやすいはずのボートを乗り下ろしする場所を選択し、Google Mapsのサテライトビューで確認。
  • ミネアポリス市内の湖だと都会なので防犯面も心配。
    • 市の辺りは光害がひどいので市内で観測は緊急時のみ。基本的に事前に計画すればもっと確率が高いところまで行けるので、早めに予定を立てて、暗い空が見れる場所まで行く
  • 真っ暗な場所にたった一人かもしれないという恐怖感。
    • フェイスブックグループの人たちが何人か前夜に行った場所なら、他にも人がいるはずと判断してその場所を選択。
    • 以前にオーロラ観察に行った広大な自然保護区で見たオーロラを投稿している人にメッセージし、人の多いスポットを直接訪ねた。
  • 行っても見えない確率の方が高いから無駄足を踏みたくないという抵抗感。
    • 実家で泊まり込み手伝い中のパートナーを訪ねることで運転の動機を増やす。とにかくオーロラ鑑賞以外でも行く理由を見つけると動機が上がります(キャンプする、景勝地へ行く、おいしいレストランを試すなど)。
    • パートナーの実家からオーロラスポットへの運転距離が短かったので、「無駄足」感を大幅減少。
    • 快適な夏のしかも翌日も休日という好条件で行かない理由がない、と自分に言い聞かせる。
  • 帰り道に眠くなりすぎる不安。
    • パートナーの実家に宿泊することで対応。
    • 今後、宿泊できなくてもパートナーの実家の前に車を停めて車中泊もできる。

オーロラ発生翌日の仕切り直し(2022年9月4日の夜)

翌日の9月4日も数値的にはかなり良かったので(予想されたKP指数5)、午前中から数値が変わらない限りオーロラ観測に行く予定をたてて準備することに。

オーロラ観測予定日の日中の準備

  • パートナーの実家に宿泊するための荷造り。
  • カメラ、水筒、トイレグッズを用意。携帯はしっかり充電
  • 運転のコツの動画のおさらい。
  • カメラの設定のおさらいと、事前の設定。
  • 行く予定の場所のGoogle Mapsを見て、道に迷わないように場所の感じをしっかり確認。
  • 周囲の人が動機が下がるような発言をしても行く決意
  • パートナーの実家へ午後のうちに移動。

いざ出動

夕食後に数値をアプリでチェックしたところKP指数の予想は夜10時頃に5という好条件のままで(短期予報は結構変わるので、当日は何度もチェックしてください)、早めに出発することに。9時半には到着するように運転開始。運転は日中に習ったコツを試した成果とカーナビのマップ画面でカーブなどを早めに知ることで、かなり自信をもってすることができた。義理の母からも「あの湖に行くなら道は簡単よ」と太鼓判を押されたのも不安を和らげることに。

湖のボートの乗り下ろし場所(英語だとBoat Launchで検索)に到着すると、なんと駐車場の目の前が小さな砂浜と湖で、その気になれば車からでも観測可能というとても便利な場所(蚊の多い日や寒い日には最適)と判明。すでに2台車が停まっている。一人でカメラを準備している女性の隣に車を停める。オーロラを待っているのか聞くと彼女の返事が「ああ、これで一人ぽっちじゃないから不安が和らいだわ!」二人で一緒におしゃべりをしながら待つことに。

オーロラ観測地点にてカメラを駆使して待つ

早速二人で隣同士でカメラを設定してオーロラを待つ。彼女は遠距離恋愛中で恋人と一緒に観測できないから、18歳の息子を誘ったものの興味がないと言わたので一人で来たとのこと。私はパートナーがオーロラ観測にかける努力をすることに興味がないので、いつも一人なことなどを話ながら10時を待つ。

オーロラの出現

9時半を過ぎた頃から地平線の辺りに少しもやのようなものが見える。以前にもオーロラを見たことがある彼女は、あの辺りがちょっと怪しいと、写真を撮り空を確認。肉眼よりもカメラのレンズの方がオーロラをはっきりと見ることができるから、こうやって写真を撮りながらみんな空のどこを探すかを決めてるんだ~と一つ学ぶ。写真には緑の光がうっすらと写っている!私も肉眼ではオーロラの出始めはスポットライトのように見えるらしいと前回教えてもらったコツを共有して空を見守る。

白いもやが写真ではオーロラの緑の光だと確認できる。中央右下の星を目印にすることに。写真はオーロラ観測仲間となったステファニーさん提供。

本土でのオーロラで少し光害がある場所では肉眼では色まで見えるほどの強さなことはまれで、白っぽい雲のように見え始めることがほとんど。肉眼よりカメラのレンズの方が性能がいいので、写真をとってどこを注意して見るべきかを探りましょう。

私のカメラと初心者の腕ではオーロラを捉えることができなかったので、彼女の写真撮影の技術に頼ることにして、私のカメラは早々に片づける。彼女は1~2分おきに写真撮影してはオーロラの様子を確認。肉眼でも少しずつ白いもやが明るくなり始めてくるのがわかる。彼女も写真を見て「だんだんオーロラが強くなってきてるわ」。フェイスブック・グループにもオーロラが出始めているとの投稿が出始める。短期予報も良い感じだったので、楽しみに待ち続けていると、スポットライトのようなものが出現!なんども彼女は写真を撮りながらオーロラの状態を確認。スポットライトのような縦の光の線は次第にくっきりし始めて、しかも複数出現!

オーロラの光が強くなり始めて、ピラーと呼ばれるスポットライト状のものが発生しているのがわかりますか?肉眼でも確認できました。緑の上はうっすらと紫色の発光をしています。

まるで誰かが光の砂をまき散らしたかのような白いスポットが所々に出現。まさにオーロラを見た人が言う「光が踊る」という様子が5分間ほど目の前で繰り広げられ肉眼でも確認できました!肉眼ではカラフルな色ではなく、白っぽい色なもののオーロラの動きはよくわかり感動!写真ではくっきりと緑や紫色が確認できました。

ここまで強くなると肉眼でも緑の光とピラーだけでなく、紫色の部分も白っぽく光っている様子が確認できました。

興奮冷めやらぬ中、空を見つめ続けるととても背の高いスポットライトのようなものが斜めに強く出現。これが皆が言うSTEVE(Strong Thermal Emission Velocity Enhancement)という現象なのか?彼女もこれは「STEVEかしら?ところでSTEVEって何か実は私もよくわからないのよね」と共感できる発言をしてくれる。写真を頼りに肉眼でも確認できる程度のオーロラはその後も20分ほど継続し、徐々に弱くなり始めて次第に見えなくなった。彼女とは喜びを分かち合い、連絡先を交換しあってお開きに。

自信を持ってパートナーの実家までの帰路につき、翌日にフェイスブック・グループの投稿を確認してみると、STEVEが観測できたと投稿されていました!なんと3回目のトライでオーロラを見れただけでなく、STEVEまで観測できるなんて、大満足でした!人生で一度はオーロラを見たいという夢は実現したものの、次回は肉眼で色も確認したいという新たな夢も出現。今後は強いオーロラ観測の可能性がある日に集中してトライしていこうと思います。

まとめ

今回は初日の失敗から学び、翌日に対策を練ってトライした成果があり、なんとオーロラを見ようとトライして3回目でSTEVEまで見れるという快挙を成し遂げることができました!特に初心者で、しかも周囲の人が誘いにのってくれなくて、一人で行くことになると女性にとっては不安がつきもの。それでも行く価値はあります!特に夏場の週末にオーロラ観測の好条件な時は行かないと損です!少しでも安心して楽しむには、普段からの準備が大切とわかったので、もし私のように夜に一人で田舎に出かけるのが不安な方は性別を問わずに参考にしていただけると嬉しいです。アメリカ北部に住んでいる方は、ぜひ一度はオーロラを体験してください!

アイキャッチ画像は労働の日のオーロラをカナダで撮影したMandy Smithさんにて提供されたもの。Northern lights at Spruce Island Camp, Lake of the Woods, Ontario, Canada on the labor day weekend 2022, photo by Mandy Smith with iPhone 12 Pro Max

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この記事を書いた人

ミネアポリス在住。アメリカの大自然や多文化に魅了された旅ブロガー。アウトドア系の旅行が特に好きで一人旅も多い。ちょっと怖がりなのでそれを克服する動機としてブログ開設。小心者の視点からのブログで同じような性格の女性にもアメリカ旅行を身近にしていきたいと願っている。

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