シカゴに日本人街はある?おいしい日本食を食べたり、日本の食材を安く入手するにはどこにいったらいいのか教えてほしい。
中西部で一番大きな都市、シカゴなら西海岸にはかなわないものの日系の大手スーパーミツワや韓国系のHマートなど、日本のプチ里帰り気分が楽しめます!シカゴには西海岸のような日本街はなかったものの、戦後に日系人が集中して住んでいたのがレイクビュー地区です。日本の総領事館もあるシカゴで、日系人の歴史と現在、日本人が多い地域を探検します。
中西部に日本街?!シカゴにも日系人街があった
日系人が多く住んでいた西海岸には複数の日本街が存在していましたが、シカゴにはそういった日系人のコミュニティは存在しませんでした。真珠湾の攻撃後に反日感情が強まり、西海岸に在住していた日系人は強制収容所へと送られたという悲しい歴史があります。シカゴの日系人の人口が増えたのは第二次世界大戦後。それには日系人が強制収容所に送られたことが深く関係しています。西海岸に住んでいた日系人の方々が強制収容所から解放されたとき、アメリカ政府が日系人で集まって日本人街などを形成することを嫌い、日系人を全米各地に散らばるように送ったのです。
日系人が多く、強制収容の対象となったカリフォルニアやワシントン州は日系人への風当たりが戦後も強く、西海岸に戻れたとしても仕事や住まいを見つけることはむずかしかったそうです。日系人の方々は日本人街などを形成せず、英語を話し、白人に馴染んでくらすように政府機関から指示をされて、少しのお金と鞄に入るだけの所持品を持ち、強制収容所からあちこちに送られたのでした。
生き残るためには、日本人らしさを消すしかない。そんな時代だったんですね。西海岸よりは反日感情が少ないということもありシカゴに送られた日系人はそれなりに多くいたようですが、差別によりやはり住居や仕事を見つけるのは簡単なことではなく、白人にははあまり人気のないエリアで日系人は自然とお互いを支えあうコミュニティを形成していったようです。正式な日本街ではありませんが、日系人の集まる日系人街ができていったのです。
現在のシカゴのレイクビューあたりに日系のお店などが並び日系人が多く住んでいたそうです。若い世代には差別を乗り越えて成功してほしい、アメリカ人として受容れられて白人と肩を並べて暮らしてほしい、そんな一世や二世の願いを受け、若い世代は郊外へと引っ越して行き、日本のお店は閉店していったそうです。家業は生きるための道だった、だからきっと子供が店を継がないことを望む親が多かったんですね。
残っていた日系人も都市の再開発が進み1990年代には面影がなくなってしまったようです。レイクビューは現在は高級な住宅街となっています。オーナーが変わっても当時の名前や様子を残している場所はまだあるのでぜひ訪ねてみてください。お寿司屋さんのMatsuyaや日系2世の社交の場であったNisei Lounge。戦後にアメリカでたくましく生きていこうとしている若者たちのエネルギーがきっと満ち溢れていたのでしょう。日本文化会館(Japanse Culture Center)もまだレイクビューに残っています。
シカゴで日本の食材を入手する
シカゴには日系人街や日本人街はないものの、現在、日本生まれの日本人が多く住むのはシカゴ郊外のアーリントンハイツです。シカゴの中心地から公共の交通機関だと1時間半くらいかかってしまいますので、車が便利です。ここにはLakeviewの日系人街から引っ越してきたMonte Blanc Pattiserというケーキ屋さんもあります。
日系の大手スーパーミツワもあり、日本人だけでなくアメリカ人からも人気です。いくつも日本食が食べられるレストランも入っており、ぜひ時間があれば訪ねてみましょう。日本の食材があまり手に入らない地域から来ると、品数豊富でお値段が安くて感激です。近くに天助市場という小さな日本のスーパーがあります。ダイソーコーナーもあり、まるで日本のスーパーにいるようで、個人的にはミツワより感動しました。レジで日本語で話しかけられた時には、とても懐かしい気持ちになりましたよ。ローカルによるとミツワより少しお値段は高めであるものの、スタンプカードがあり、スタンプを貯めることで少し安く購入できるそうです。
ミツワや天助市場がある辺りにはいくつもホテルがあるので、最終日はこの辺りに宿泊し買い溜めして帰るのにも便利です。飛行機で来た場合もアーリントンハイツは空港から近いため、ホテルから無料の空港シャトルが出ていることが多くあります。
アーリントンハイツでお値段手ごろな日本食を食べれるお店おすすめ
おすすめはミツワ内のフードコートにあるらーめん山頭火のクリーミーな塩ラーメンです。北海道が本店のラーメン店です。体験談ですが6時以降になるとスープが切れたため閉店なんてことがあるので注意。何度か足を運びましたが、何度もこういうことがあったので、ちょっと残念です。山頭火のスープが切れるとお隣のお店に客足が流れるので、もしかしてそういう風に協力して商売しているのかな?とも思いました。勝手な想像です。
ミツワでパッケージされたお寿司も楽しみに行ったのですが、コロナによる人材不足の影響なのかお総菜、お寿司コーナーは連日ほぼ空っぽでしたし、閉店しているレストランもありました。
天助市場のお総菜コーナーやフードコートのお寿司はとってもおいしかったです。魚の切り身やお刺身パックなども売っていて、小さな食堂コーナーではお寿司だけでなく丼物やカレーライス、お魚の定食なども食べられます!
他にも日本のお弁当やお総菜を売るSozaiBanzaiというお店もとても評判がいいです。日替わりメニューもあるので飽きないですね。日本のかまどや、ほか弁とは比べ物にならない美味しさでした。ボリュームもしっかりあり、また訪ねたいと思いました。
アーリントンハイツは郊外なので車がないとキツイです。ミツワはバスで行けるのですが、他は無理です。私は公共の交通機関のみでチャレンジしてみましたが途中挫折し、ライドシェアを利用しました。グーグルマップでは歩けるように案内されるのですが、実際歩いてみると歩道がなく雑草が生い茂っていたり、高速道路まがいの道だったりで危険です。ちなみに天助市場の目の前にはBusse Woodsという森が広がっていて、同じショッピング街の7 Miles Cycleでレンタサイクルすれば、気持ちよく森林浴サイクリングができます。
シカゴ市内のみで日本の食材を手に入れたい場合は、韓国系のHマートがユニオン駅の近くにあり、日本の食材もある程度扱っています。こじんまりしたお店ですが品揃えはしっかりしており、丼ものやおにぎり、パッケージされたお寿司や日本のパン屋さんのようなパンやケーキも売っていて、食堂コーナーで食べることができます。
私は鶏のからあげ丼を食べましたがなかなかおいしかったですよ。ビビンバなど韓国料理も色々セレクトがあります。
まとめ
日本に近い西海岸のロサンゼルスやシアトルにはかないませんが、日本の食べ物があまり入手できない場所に住んでいる方なら、アーリントンハイツでも日本の懐かしさを十分に感じることができます。ミネソタに住んでいる日本人にとってはアーリントンハイツは最寄りの日系コミュニティです。プチ里帰り気分を満喫するため、友人たちもほぼ必ずアーリントンハイツ付近にホテルをとって滞在しています(笑)。日本に飢えている方、ぜひ次回にシカゴにお越しの際は立ち寄ってみてください。
情報源
Discover Nikkei 30 years of Lakeview: Chicago’s Japanese American Community
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