大人気のグレイシャー国立公園、見どころは?3日間くらいで周れるような絶景スポットを教えてほしい。
グレイシャー国立公園はアメリカ国立公園のトップ10に常連の人気の国立公園です。カナダと国境を接するモンタナ州にあるこの公園は厳しい寒さのためシーズンは短く、夏には混雑するので効率よく見どころを周る、または的を絞ってゆったり旅をするには事前の計画が必要です。消えゆく氷河を一目見ようと多くの人が訪れる場所で、南西部の赤い岩が特徴のグランドサークルにある国立公園とは全く異なる魅力を楽しむことができます。そんな風景を見たい旅人のために見どころをご紹介します。
基本情報
国立公園への行き方
飛行機
飛行機で到着の場合は、グレイシャー国立公園の最寄りの空港は公園の西口から30マイルほどの場所にあるカリスペル(Kalispell)にあるグレイシャー・パーク空港(FCA)です。もっと大きな空港になるとモンタナ州ミズーラ市(Missoula)にあるミズーラ国際空港(MSO)が西口から140マイル、グレート・フォールズ国際空港(Great Falls, GTF)が200マイルほどの距離に位置しています。さらにボーズマン・イエローストーン国際空港(Bozeman, BZN)から300マイル(5時間ほど)です。
アムトラック
アムトラックで行く場合は、それなりにレストランなど都会のアメニティのある町ならホワイトフィッシュ(Whitefish)が西口から29マイルの位置に、もっと近くまで行きたいならウエスト・グレイシャー駅や夏期限定のイースト・グレイシャー駅があります。ウェスト・グレイシャー駅からはグレイシャー国立公園ロッジが運営する有料のシャトル(大人14ドル、夏期限定)がありマクドナルド・ロッジかビレッジ・インまで車なしで行くことができます。レンタカーをする予定ならホワイトフィッシュの方が選択肢があるでしょう。待ち時間があるので効率は今一つですが、グレイシャー国立公園内は無料のシャトルがあるので、車なしで旅行もできないこともありません。
車両通行登録
公園への入園料は車で到着なら一台につき35ドルで7日間有効。シャトルなどで到着した場合は一人20ドルです。入園チケットは事前にオンライン購入可能です。2021年より公園内の景観道路である太陽への道(Going-to-the-Sun Road)で西口~ライジング・サン・チェックポイント(Rising Sun Point)間の夏期の通行には登録が必要になりました。オンライン登録料として2ドルが必要で3日間有効です。さらに公園北西のノースフォーク・エリアに行く場合も自動車の通行登録(2ドル)が必要です。
ベストシーズン
ロッキー山脈に位置し高度があること、緯度が高いことから夏場でも朝夕は冷え込みます。ピークシーズンは平均最高気温が28℃程度、最低気温が9℃程度の7、8月。6、9月は天候の良い日もまだあり、平均最高気温が22℃、最低気温が5℃ほどで混雑を少し避けて楽しむことができます。6月には雪が残っており、ハイキングコースがぬかるんでいるかも。9月のレーバー・デーを過ぎると混雑がぐっと減る代わりに、シーズンの終わりは山火事の影響があることがあり、寒い日も増えます。冬に行く方は公園内の施設が閉まっており、人気のGoing-to-the-Sun Roadが通行できない代わりに、混雑はほぼ皆無の公園を楽しむことができます。
宿泊場所
グレイシャー国立公園には素敵なホテルから簡単なキャビン、キャンプ場やRVパークなどの宿泊施設があります。複数の会社が宿泊施設を管轄しています。グレイシャー国立公園ロッジ・ザンテラの施設はこちら、グレイシャー公園コレクションの宿泊施設はこちらで見ることができます。都会のゴージャスなホテルをイメージしていくと、ちょっとがっかりします。歴史あるホテルは昔に建てられたため部屋が小さく、アメニティも質素なものです。メニー・グレイシャー・ホテルやマクドナル湖のレイク・マクドナルド・ロッジは宿泊しなくても、中に入ってロビーを見るだけでも価値があります。番外ですがグレイシャー国立公園に隣接しているカナダ側ウォータートン・レイクス国立公園(Waterton Lakes National Park)にあるプリンス・オブ・ウェールズホテルに泊まるのもありです。まるでヨーロッパのマウンテン・リゾートにいるようなイメージでアフタヌーン・ティーを楽しむこともできます。国境を渡らないといけないので、コロナ禍の今は敷居が高いですがコロナが落ち着いたらカナダ側で数日過ごすのもありですね。予算が限られている方はぜひ公園内のキャンプ場を予約しましょう。予約は半年前くらいからでき、夏期でもお値段は10~23ドルと、とてもお値打ちです。Going-to-the-Sun Roadに位置するキャンプ場やメニー・グレイシャーに宿泊すると見どころが近くて便利です。
必見スポット
1.太陽への道(Going-to-the-Sun Road)
グレイシャー国立公園に行ったら絶対にGoing-to-the-Sun Roadを体験しない人はいないでしょう。ハイキングコースや絶景スポットが盛りだくさんの景観道路です。公園の東西をつなぐ唯一の道でもあります。道幅が狭く、道路沿いの岩肌が突き出ている場所があるため車両のサイズが制限されています。車高が10フィート、車両の長さが21フィートを超える車は通行することができません。断崖絶壁を通るので、運転に自信がない方は公園内のシャトルか、レッドバスのツアーを利用しましょう。私が行ったときは、運転慣れしているパートナーですらシャトルからの景色を眺めながら「自分が運転してなくてよかった」とつぶやいていました。夏期シーズン中は車両の通行登録が必要になります。
2.ローガン・パス(Logan Pass)
Going-to-the-Sun Roadで最高度の場所でビジターセンターがあります。人気のハイキングコースのヒデン・レイク・トレール(Hidden Lake Trail)とハイライン・トレール(Highline Trail)のスタート地点があります。ヒデン・レイクは一番人気のハイキングコースの一つで、ビスタポイントまでだけで引き返すなら、子供にも適しており家族連れでも混雑しています。高度が高いので日差しが強いので紫外線対策をしっかりしましょう。気分だけ味わいたいという方は、ヒデン・レイク・オーバールックまでの1.35マイルで引き返すとよいでしょう。去年の夏は、通行登録が必要な時間帯より早くにローガン・パスまで行く人が増え、早朝から駐車場が混雑していたそうです。
ハイライン・トレールもローガン・パスからのスタート地点ですが、ハイキングコースに入ってすぐに幅が3~5フィートほどの断崖絶壁の細い道を行く部分が500メートルほどあります。捕まれるように岩肌にロープが渡してあるのですが、それでも高所恐怖症の方には敷居が高いかもしれないトレールです。それでも行く方は、絶景を見ることができます。スタート地点から3.6マイルほどの部分でヘイスタック・パス(Haystack Pass)に達します。全部行くとかなり長いハイキングコースなので(8時間ほどかかります)、この地点で引き返す人も多いそうです。険しさは中級だそうです。私は心の準備ができておらず、高所が怖かったのでチャレンジしませんでしたが次回はぜひ試したいと思います。
3.メニー・グレイシャー
公園の東側に位置しています。風光明媚なメニー・グレイシャー・ホテルがあります。西からの風が山に辺り雨が降るため、東側は西と比べて乾燥しています。天候が怪しいようなときは東側を重点的に観光するとよいかも。メニュー・グレイシャーの辺りは長距離のハイキングコースが充実しており、ハイキングがお目当ての方はぜひこの辺りに宿泊するとよいでしょう。グリネル・グレイシャー・トレイル(Grinnel Glacier Trail)はメニー・グレイシャー・ホテルから徒歩でスタートすることができます。ボートを利用するとハイキングコースを3マイルほど短くすることができます。全部行くと往復11マイルのハイキングコースで、ターコイズ・ブルーの湖を見下ろし、さらには氷河を見ることができます。グレイシャー国立公園の湖がターコイズ・ブルーなのは、氷河によって削られた岩が水に溶けているからだそうです。かなりきつめのコースです。必ずハイキング靴で挑戦しましょう。
4.ワイルド・グース・アイランド・ビューポイント(Wild Goose Island Viewpoint)
グレイシャー国立公園で最も写真家が好む場所です。山々を背景にセント・メアリー・レイクを見ることができ、湖の中心に雰囲気のあるワイルド・グース・アイランドを見ることができます。セントメアリーから6マイルほど、ライジング・サン・モーター・インを過ぎた後の場所に位置し、大きな駐車場が目印です。うれしいことに駐車場から歩く必要のない絶景スポットです。
5. シダー・トレイル(Trail of the Cedars)
このトレールは公園の西側に位置し、1マイルで平坦な車いすでも通行可能なハイキングコースです。初めのうちはボードウォークでお散歩感覚で森林浴を楽しめて、雪解け水が時をかけて作り上げた繊細な形のアバランシェ渓谷を眺めることができる幻想的なスポットです。
6.セント・メアリー滝とバージニア滝(St. Mary Falls, Virginia Falls)
セント・メアリー滝までは駐車場から1.7マイル。さらにバージニア滝まで行くとプラス1.6マイルです。滝だけでなく、途中美しい山々を楽しみながらハイキングすることができます。
7.マクドナル湖周辺(Lake McDonald Valley)
マクドナル湖は公園西側に位置しており、ロッジやレストランなどもあり活気のある場所です。なんとマクドナル湖は水深が500フィート(152メートル)もあるそうです。美しい山々を背景に輝くマクドナルド湖には色とりどりの石があります(公園内の物は石も含めてすべて持ち帰りは厳禁です)。湖のほとりにはアプガー・ビジターセンター(Apgar Visitor Center)やアウトドア用品店のグレイシャー・アウトフィッターズ(Glacier Outfitters)があり、キャンピング用品やクマよけのスプレー、自転車、ボートのレンタルなどができます。
まとめ
グレイシャー国立公園は緑が豊かな本当に美しい場所です。消えゆく氷河に会えるのは時間が限られています。グランドサークルにある国立公園やイエローストーンとは全く違う風景が広がっており、多くの人が何度も訪ねる場所なのでぜひ、今年の夏はグレイシャー国立公園を訪ねてみませんか?
ブログ更新のお知らせメール登録
ブログ更新のお知らせを受取りたい方はこちらから登録お願いします。月に2回ほどのペースで更新しています。あなたの連絡先はブログ更新のお知らせのみに利用し、他の機関と共有することはありません。
コメント