ミネアポリスで都会を楽しんだ後は、涼しくて景色がきれいな場所でゆっくり自然を楽しみたい。スペリオル湖畔の遊び方を知りたい。そんな疑問にお答えします。
ミネソタのスペリオル湖岸はノースショア(北岸)と呼ばれ、ミネソタで一番景色がきれいな場所として知られています。まるで海のように大きいスペリオル湖は北海道と同じくらいのサイズ!そんな湖が空気を冷やしてくれるので夏でも涼しく避暑地としても最適で観光地が点在しているのでおすすめです!
スペリオル湖畔にリゾートタウンが点在
都会を少し離れてのんびり、さらに確実に涼しいところに行くなら、ミネソタ州北部、スペリオル湖畔がおすすめです。素敵な観光地がスペリオル湖沿いに多くあります。ミネアポリスからミネソタ州のスペリオル湖の最南端の都市ダルースまでは約3時間です。
ダルース
以前にスペリオル湖最大の港町ダルース(Duluth)のことはこちらの記事で紹介しました。ダルースは自然に囲まれているのに、都会でもあり美味しいレストランやかわいいお店がたくさんあります。日本でも有名なダルースパック(Duluth Pack)の誕生の地です。ここでお土産を物色するのもいいですね。お馴染みのバッグだけでなく、コースターなどの小物も売っていて、ワンちゃんも歓迎のお店です。ダルースにはおいしいレストランも多くあります。私のおすすめレストランはダルース・グリル(Duluth Grill)です。ここは何を食べても美味しいです。もう少しカジュアルにサンドイッチなら燻製製品で有名なノーザン・ウォーターズ・スモークハウス(Northern Waters Smokehaus)がすごくいいです。ダルースは他にもたくさん美味しいレストランがあります。
ツーハーバー
ダルースからスペリオル湖沿いに北上していくとツーハーバー(Two Harbors)があります。ダルースよりもずっと小さい街です。ここはなんと3Mの誕生の場所でもあり、小さなミュージアムがあります。バーリントン・ベイ(Burlington Bay)という小さなビーチと併設のキャンプ場があり、小さなお子様連れの家族に人気です。バニラビーン(Vanilla Bean)でアメリカンな食事も良いですが、道中にあるホテルやリゾートにあるレストランなども美味しいです。チェーン系列のファストフードもあります。小さな灯台もあり、車を停めて防波堤を歩いていくことができます。この辺りにはプールやミニゴルフつきの家族連れをターゲットにしたホテルもあります。
ツーハーバーの中心地からは外れますが、パイならベッティズ・パイ(Betty’s Pie)やラスティック・イン・カフェ(Rustic Inn Cafe)がおすすめです。おしゃれでちょっとアップスケールな食事ならニュー・シーニック・カフェ(New Scenic Cafe)が大人気です。コーヒーと軽食でよいのならモカ・ムース・コーヒー(Mocha Moose Coffee)が私はお気に入りです。外にお庭があり、そこに座ってお花を愛でながら食べることができます。私はここで食事中にお花に蜜を吸いに来たハミングバードを見ました!
ツーハーバーから北上を続けるとイオナズ・ビーチ(Iona’s Beach)というビーチがあります。ここにはトイレなどのアメニティはなく、駐車場から少し歩くせいか、この辺りでは静かなビーチです。ピンクがかった大きめの石が特徴で、歩くと石がぶつかり合ってコロコロ泣く音が有名です。この石は持ち帰りは禁止なので、見るだけ、歩くだけで楽しみましょう。ちなみにこの石のせいで歩きにくいので、足腰に自信のない方や足首が弱い方、小さなお子様にはお勧めではありません。きゃしゃなビーチサンダルではとても歩きにくいので、しっかりとしたサンダルか普通の靴をはきましょう。
ビーバーベイとシルバーベイ
次なる都市はビーバーベイ(Beaver Bay)とシルバーベイ(Silver Bay)です。都会としてのアメニティはほとんどありませんが、観光地なのでそれなりにおいしいレストランはあります。おすすめはなんといってもブラックビーチです(Black Beach)。ブラックビーチには市が管理する新しいキャンプ場もあり、家族連れでビーチ遊びを毎日したい方にはおすすめです。他のビーチとは全然雰囲気が違うのは黒い砂のせい。昔、タコナイトという鉱石を採掘し、鉄を採取した後に残りかすをスペリオル湖に捨てていたそうです。その鉱石が時間をかけてこのビーチに打ち上げられて、黒い砂のビーチとなっています。併設するキャンプ場はまだ新しいため、木が小さく木陰はありません。ビーチがメインのキャンプ場なので、森の中のキャンプではなく、広場に整然とキャンプサイトがあります。泊まっているのはほとんどがキャンピングカーで、電気コンセントも充実しています。お隣さんとのプライバシーはありませんが、お子さんがいる家族だと他の子供たちとも遊べていいのかも。ブラックビーチは特に夏の休日は家族連れで混雑し、ビーチには木陰もほぼないので、早めに行くか自分で日光対策してください。ビーチの人気度に対してトイレの数は全然足りていないのが、少し難点です。
ルッセン
ここからさらに北上するとルッセン(Lusten)というリゾートタウンがあります。ここは紅葉の名所としても知られていて、ロープウェーに乗って景色を眺めることができます。冬にはスキーやスノボーを楽しむことができます。
グランマレー
さらに北上しカナダの国境近くまでくればかわいらしい街グランマレー(Grand Marais)があります。アーティストの人が多く住んでいます。グランマレーのビーチにもキャンプ場が併設されており、なんと冬も開いています。コンセントのあるサイトでも冬は安い!ガンガンに暖房をきかせれば大丈夫と喜んで宿泊したのですが、寒かった(笑)。いくら暖房きかせてもキャンパーバンからは熱が逃げてしまうのか、快適ではありませんでした。グランマレーには素敵なレストランもたくさんあり、夏にはアート・フェスティバルなどもあり多くの人が美しい景色とアート、レストランを楽しむ姿を見ることができます。
ノースショアにはミネソタで一番人気の美しい州立公園が集中
スペリオル湖畔は地元民にはノースショア(スペリオル湖の北岸だから)と呼ばれています。お隣のウィスコンシンやミシガンのスペリオル湖畔はサウスショアです。ノースショアはスペリオル湖岸の美しさからも、ミネソタ州では一番人気のリゾート地です。ノースショアには人気の州立公園が点在しています。南からグースベリー・フォール州立公園、スプリット・ロック・ライトハウス州立公園、テテグッチ州立公園、テンペランス・リバー州立公園、カスケード・リバー州立公園、ジャッジ・CRマグニー州立公園の順です。もっとハードコアな自然を楽しみたい方は、ノースショアから近いスペリオル・ハイキングコースが人気です。かなり内陸に入りますが、カヌーか徒歩でしか入ることができないバウンダリー・ウォーター(Boundary Waters Canoe Area)や、それに隣接するボヤジャーズ国立公園(Voyageurs National Park)へはさらにハードにアメリカの大自然を楽しみたい方にはおすすめです。その際にはぜひ、イーリー(Ely)に立ち寄って物資を調達しましょう。イーリーも美味しいレストランやお店があり、とてもかわいらしい街です。
もしノースショアかサウスショアか迷ったなら、レストランなど街としてのアメニティも楽しみたいならノースショア、ド田舎でもいいから自然を楽しみたい、キャンプ場も設備が整ってなくてもいい、という方はサウスショアがおすすめです。サウスショアについては後日、紹介しますね。
グースベリー・フォール州立公園(Gooseberry Falls State Park)でピクニック
ノースショアで最も人気の州立公園がグースベリー・フォール州立公園です。人気の秘密は美しい滝とツインシティからのアクセスの良さです。グースベリー滝は夏は水量が下がるので、近くまで行くことができます。春に行くと雪解け水で恐ろしいくらいの水量であまり近くへはいけません。落差はあまりありませんが、きれいで夏なら滝のそばで水に足をつけたりしてお子様も楽しめそうです。滝の周りにちょっとしたハイキングコースもあります。ノースショアの川のお水は琥珀色です。メープルなどの葉がお水の中で分解されて、お茶などに含まれるタンニンという物質が多いのが理由だそうです。汚れているわけではありません!グースベリー滝を春の終わり頃に訪れたなら、貴婦人の靴(Lady’s slipper)と呼ばれる野生のユリの花を見ることができるかもしれません。夏ならばピクニックエリアでぜひ休憩してください。スペリオル湖を見渡すことができる場所にテーブルがたくさんあります。小さなビーチもあり、家族連れにもおすすめです。この公園でのキャンプは私のお気に入りです。ここにはコンセントのあるキャンプ場がないせいか、テントでキャンプしている人が多くいます。そのせいなのかとても静かで、癒されます。もし自転車を持っていくことができたなら、ギッチガミー・トレール(Gitch-Gami State Trail)という自転車道で北へ向かい灯台のあるスプリット・ロック・ライトハウス州立公園まで行くか、その手前で灯台が見れるスポットまで行って引き返してくるとよいでしょう。将来的にはグランマレーまで完全に舗装される予定です。その時はぜひバイク・パッキングで自転車キャンプしてみたいものです!
スプリットロック・ライトハウス州立公園(Split Rock Lighthouse State Park)ではかわいい灯台が見れる
ノースショアのシンボルともいえる美しい灯台がスプリットロック・ライトハウスです。断崖の上に絵になるようなかわいらしい灯台が立っています。灯台は実は州立公園ではなくミネソタ歴史協会により管理されていて、灯台やその辺りのハイキングコースを歩きたい場合は別途入場料が必要です(こちらから料金や詳細を見ることができます)。お金を払う価値は十分あります。灯台を出てハイキングコースを降り(階段と坂の選択肢があります)、湖まで下りると灯台を背景に写真を撮れるスポットがあります。上記は紅葉の時期である10月に撮影した写真です。冬に訪れたなら、雪景色の灯台の写真も素敵です。個人的には今まで見た灯台の中で一番かわいいと思うので、ぜひ訪ねてほしいスポットです。
この州立公園には真新しくオープンしたキャンプ場があり、新品の設備が整っています。電気コンセントのあるところでキャンプしたい場合はこちらがおすすめです。
テテグッチ州立公園(Tettegouche State Park)はハイキングコースと断崖絶壁が有名
テテグッチ州立公園は断崖絶壁の絶景ポイントがいくつかあります。ショベル・ポイント(Shovel Point)には駐車場からハイキングコースがあります。片道20分くらいは歩くでしょうか。整備されていますが、結構階段もあるので、足腰の弱い方は公園の南にあるパリセード・ヘッド(Palisade Head)という断崖絶壁の絶景ポイントの方をおすすめします。ここへは車でどうぞ。小さいですが駐車場があり、車を降りてすぐに見ることができます。テテグッチ州立公園には小さなビーチエリアもあります。ビーチから最寄りの駐車場は州立公園内なので、州立公園のパスが必要です。テテグッチ州立公園はハイキングコースも有名で、森の中を歩いてスペリオル湖を眺められるスポットに行くことができます。
この州立公園のハイキングコースから、ミネソタで一番美しいと言われるスペリオル・ハイキング・トレールに入ることができます。設備の整った州立公園のカーキャンプとは異なり、キャンプ場は歩いて到達するタイプ。中には駐車場からかなり近いキャンプ場もあるので(といっても20分くらいは歩きます)、寝るためだけに利用する人もいます。いったんハイキングが始まるとトイレはありません。
テンペランス・リバー州立公園(Temperance River State Park)にはすごいキャンプ場がある
テンペランス・リバー州立公園は湖沿いにある小さめの州立公園です。正直に言いますがハイキングコースはテテグッチの方がおすすめです。テンペランス・リバーの一番の魅力は美しい川。この川は道路沿いの駐車場に止めて車を降りてすぐに見ることができます。さらに魅力なのはキャンプ場だと思います。上下に分かれてキャンプ場があり、アッパーキャンプ場は湖よりかなり上にありますが、ローワーキャンプ場は本当に水の近くで、湖沿いのサイトを確保できると、素晴らしい景色をキャンプサイトから眺めることができます。カーキャンプのスポットとしてはミネソタで一番きれいなんじゃないかと思います。予約は熾烈な戦いで、何か月も前に予約しないと勝ち取ることはできません。水際はピクニック・エリアとなっているので、プライバシーという点では少し劣ります。施設が整っているのはアッパーキャンプ場で、水洗トイレとシャワーはアッパーキャンプ場のみ。ローワーキャンプ場には、湧き水の出るスポットがあり、RVなどで訪れたときはちょっと立ち寄って、無料でお水を確保できます。アッパーもローワーも湖側でないサイトだと、道路から近くなるので、少し騒音があります。
カスケード・リバー州立公園(Cascade River State Park)もハイキングコースが見どころ
ここまで来ると、かなりカナダに近くなります。カスケード・リバー州立公園はルッセンに位置しています。一番人気のアクティビティはハイキングです。簡単なコースから難しいコースまで色々あるので、体力に応じて選びましょう。難易度はこのサイトで見ることができます。紅葉の季節だとハイキングコース前の駐車場は満車になっていることが多いので、朝早めに行きましょう。キャンプ場からの景色は森といった具合で湖を見ることはできません。グースベリー・フォールと比べると各サイトの距離が近くプライバシーは少し劣ります。
ジャッジC.R.マグニー州立公園(Judge C.R. Magney State Park)では氷や水が削り上げたデビルズ・ケトルを見よう
かつてダルースの市長であり、ミネソタ州最高裁の裁判官でもあったC.R.マグニー裁判官が名前の由来の州立公園です。ジャッジC.R.マグニー州立公園はスペリオル湖沿いでミネソタ最北の州立公園です。往復2マイルのハイキングコースでデビルズ・ケトルと呼ばれる美しい滝を見ることができます。階段がかなりあるので足腰に自信のない方は注意してください。
ミネソタ北部内陸のおすすめスポット
バウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリア(Boundary Waters Canoe Area)は手つかずの自然が魅力
カナダとの国境沿いに湖が多くあり、徒歩かカヌーやカヤックでしか入ることができない自然保護区がバウンダリー・ウォーターズ・カヌーエリアです。ミネソタ州民にはバウンダリー・ウォーターズと呼ばれています。スペリオル湖沿いではなく、内陸にあり、玄関口の街がイーリーです。入場するにはチケット(パーミット)が必要です。釣りをする予定なら、釣りのパーミットも必要。州立公園のキャンプ場とは異なり、水洗トイレやシャワー、ゴミ箱、売店はありません。自分が訪ねたという痕跡を残さない、Leave No Traceを実践してください。ゴミはもちろん持ち帰り、食べ物はクマよけにパックに入れて指定の高さまで木から吊るす、お水は湖から汲んだものを処理して飲む。キャンプ上級者向けの場所です。カヌーはイーリーにあるお店でレンタルすることができます。私はキャンプ初心者なのですが、若かりし頃はバウンダリー・ウォーターズでカヌー・ガイドをしていたという旅の連れのおかげで実現させることができました。
いくつもある湖をカヌーで移動し、湖の間の陸はカヌーを担いで歩くという割と過酷な自然体験ができます。初夏に行くとアブや蚊がすごいので、虫よけ対策は必須です。蚊よけスプレーもいいですが、帽子の上からネットをかぶるタイプは、べたべたしないのでおすすめです。
実は国立公園もある!ボヤジャーズ国立公園(Voyageurs National Park)
バウンダリー・ウォーターズの西側に位置するのがボヤジャーズ国立公園です。どう違うのかというと、バウンダリー・ウォーターズが自然保護区として自然そのままの姿を残そうとしているのに対して、ボヤジャーズ国立公園は自然への影響を少なくしながらレクリエーションとしても楽しもうという意図の違いがあります。そのためボヤジャーズ国立公園ではキャンプ場を選んだあとは、カヤックやウォーター・タクシーを予約して楽しめばよいだけです。バウンダリー・ウォーターズよりも観光のセットアップが整っています。すべてのキャンプ場はカヌーなどのボートでしかアクセスできないのは同じです。食べ物の準備のたいへんさや、元の状態に戻す、Leave No Traceの原則も同じです。手間を少し省きたい方にはバウンダリー・ウォーターズよりもボヤジャーズ国立公園がおすすめです。
まとめ
スペリオル湖北岸はミネソタ州民だけでなく、近辺の州からも多くの観光客が訪れる観光地です。美しい自然だけでなく、美味しいレストランやアートもあり、お子様連れの家族や大人だけの旅でも必ず自分にあった楽しみ方ができるはずです。豪華なリゾートからキャンプ場も設備の整ったもの、かなりハードコアなものなど色々揃っています。ぜひ次回の気取らない旅行にはミネソタ州ノース・ショアをお楽しみください!
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