オレゴン州ポートランドからレンタカーなしでも半日程度で行ける森林浴コースはある?おすすめの行き方も教えてほしい。やっぱり夏がベストシーズン?
そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- ポートランドから気軽に行ける森林浴スポット、コロンビア渓谷滝巡りコース
- レンタカーなしでの行き方
- ベストシーズンは自分が何を優先するかで決めよう
オレゴン州は、西は美しい海岸線からフッド山を抱くカスケード山脈、東部には砂漠といった多様な地形が広がりアメリカ有数のアウトドア天国となっています。ワシントン州との州境となっているコロンビア渓谷には、美しい滝が点在。絶景スポットは大都市ポートランドから気軽に行ける距離なので、ポートランドに行くならぜひちょっと足を延ばして森林浴スポットで癒されましょう。
マルトノマ滝からスタートし景観道路を下りながら4つの滝巡りコース
なんといっても外せないのはポートランドから車で約30分のコロンビア渓谷です。一番の人気はオレゴン州で最も高さのあるマルトノマ滝(Multonomah Falls)です。大人気で混みあうのでまずはこの滝からスタートして、景観道路を下りながら他の滝をめぐるのをおすすめします。
絶景!マルトノマ滝(Multonomah Falls)
マルトノマ滝は二段に分かれ二つ合わせて落差が189メートル。日本の3名瀑にある華厳の滝は高さ97メートル、袋田の滝は120メートル、関西の人なら那智の滝が133メートルなのでいかにすごいがわかっていただけるでしょう。上下の滝の間には橋がかかっており、滝を近くで見ることができます。伝説によるとマルトノマ部族が疫病に襲われたときに有力者の若い娘を犠牲にすることで部族を救えると知った部族長が、誰かを犠牲にするよりも皆で勇気をもって死に直面するのだと決断。しかし部族長の娘は夜中に一人抜け出し、断崖絶壁へ向かいます。その頃、娘は結婚したばかり。愛する人と人生を歩んでいきたいと願う娘が神に自らの犠牲が無駄にならないのか問いかけたところ、突然雲が晴れ満月が見えました。翌朝、疫病は消え皆の体に強さが戻りました。断崖の下で娘の亡骸を見つけた部族長が神に娘の死が無駄でなかったという証を見せてほしいと泣きながら訴えたところ、突如、娘が飛び降りた断崖絶壁からマルトノマ滝が出現した、という伝説です。この絶景スポットはコロンビア渓谷で最も人気で朝早くかシーズンを外して訪れることをお勧めします。駐車場から徒歩1分程度なので足腰に自信のない方や小さなお子様連れでも大丈夫です。
ワキーナ滝(Wahkeena Falls)
マルトノマ滝から西へ少し向かうとワキーナ滝(Wahkeena Falls)があります。駐車場から少し歩くと滝を見られる橋にたどり着きます。それで十分だという方はここで駐車場に戻りましょう。体力のある方は継続して片道4.5キロのワキーナ・トレール(トレールナンバー420)を歩いてもいいでしょう。途中、サイズは小さいものの美しく裾が広がるフェアリー滝(Fairy Falls)も見ることができます。そこからさらにすすみトレールナンバー441を歩くとマルトノマ滝まで抜けて9.6キロのループとなります。それなりに険しいのでハイキング靴で挑みましょう。滝の水しぶきもありトレールは濡れていることが多々あります。簡単なスニーカーには不向きです。
ブライダル・ベール滝(Bridal Veil Falls)
景観道路(旧国道)を西に向かい次はブライダル・ベール滝(Bridal Veil Falls)を見学しましょう。駐車場から下り坂で滝の見どころスポットへ向かいます。滝までの距離は482メートル。途中美しい苔むす岩や木々、シダの絨毯を見ることができます。この滝も二段に分かれており、上下の滝の間を昔は機関車が走っていたそうです。滝をよく見ると線路が崩れたものが水の中にぶら下がっているのを見ることができます。この辺りは製紙や木材の加工の産業で栄えていました。1937年に火災で加工場は消失。今は後形もありませんが、よく見ると木材を動かしたのか線路に使われていたものなのか、金属の棒や錆びたくぎがあちこちに落ちています。帰りはかなりの上り坂となるので足腰に自信のない方には少しキツイかもしれません。近隣の街ブライダル・ベールの小さな郵便局から結婚式の招待状を郵送するのが人気です。消印がブライダル・ベールとなるらしいです。ブライダル・ベール滝の駐車場にはきちんとしたトイレがありました。
ラトゥーレル滝(Latourell Falls)
最後の名滝は落差68メートルのラトゥーレル滝。こちらは巨大な玄武岩から下にまっすぐ落ちるフリーフォール型の滝です。そのため滝つぼ付近ではかなりの水しぶきを楽しむことができます。滝を下から眺めるだけなら駐車場から徒歩3分ほど。上のトレールに登る場合は4.8キロほどでかなり険しくなっています。
ビスタ・ハウス(Vista House)でコロンビア渓谷を一望
滝を楽しんだ後はビスタ・ハウスに立ち寄りましょう。コロンビア渓谷を一望できるスポットです。実にコロンビア川から223メートルの高さのところに位置しています。大きな窓が採られており、内装は大理石や色付けされたガラスで展望台となっています。休憩する場所はありませんが、ちょっとしたミュージアムやお土産屋さんがあります。トイレもあり。大理石の内装がまるで高級なホテルのようです。
レンタカーなしでの滝巡り
滝巡りは車があると簡単に行くことができますが、夏の週末などは駐車場が空くのを待つ時間でロスになってしまいます。こんなに素敵な観光名所のわりには駐車場はかなり限られています。おすすめはツアーの利用です。下にお値段を示していますが、このお値段は2021年10月のものです。
グレイライン(Grayline)の半日コロンビア渓谷バスツアー(4時間半)お値段は10月末で44ドル。いくつかのホテルで客を拾ってからの出発なので実際は4.5時間より短くなります。最大人数38人。
バイアター(Viator)の半日コロンビア渓谷バスツアー(3時間半~4時間) 10月末で79~85ドル。最大人数30人。
airbnbのイベントホストによるセミプライベートコロンビア渓谷3滝巡り半日ツアー(3時間)57ドル
こちらは少人数でダウンタウンのコーヒーショップでの集合場所となるので、待ち時間やホテルを周ってのピックアップがないため時間の節約になります。私の参加したツアーは5人でした。ガイドさんは気さくで歴史や伝説を教えてくれて、安全運転でした。
ちなみにツアーガイドさんにはチップを渡すのが慣習です。いくらが目安かはわからないのですが、私は二人で10ドル渡しました。
どうしてもお金を節約したいという方は公共の交通機関でもマルトノマ滝に行くことができます。Maxライトレールのレッド、ブルー、グリーンラインのゲートウェイ(Gateway Transit)駅からコロンビア渓谷エクスプレスバス(Columbia Gorge Express)の一日券が15ドルです。ゲートウェイ駅まではダウンタウンから30分弱です。そこからマルトノマ滝までバスで30分。エクスプレスバスの本数は10月現在2時間半に一本。高速道路を通っていくので、景観道路の景色を楽しむことはできません。マルトノマ滝付近にはバスを待ちながらくつろげるカフェなどはありません。マルトノマ滝にだけ行って帰ってくるなら最も早い帰りの便は1時間15分後です。ループのハイキングコースでの滝巡りがお目当てなら、休憩も含めてなんとなくタイミングを合わせることができるかもしれません。夏場はもっと本数があるのかもしれませんが、満車で乗れないといったこともレビューにありました。
ベストシーズンは自分で何を優先するかで決めよう
基本的にポートランドのベストシーズンは夏です。6~8月が降水量が少なく晴れた日が多くとても観光しやすいです。通常は夏場もあまり暑くなりません。この時期は観光客が押し寄せる季節のため、ツアーなどは早めに予約しないと売り切れてしまいます。ホテルやツアーのお値段も高くなり、自然スポットも大混雑します。夏場は降水量が少ないため滝も迫力が減ります。夏も真っ盛りだと苔も少し乾燥気味になります。ここ数年は温暖化の影響か夏は森林火災が多く、大気汚染も少し心配です。
春と秋は雨が多くなり滝の水量も増えます。気温はまだ快適な範囲です。観光客はぐっと減り、ホテルやツアーも割安になります。秋なら黄葉と苔やシダの緑とのコントラストもとてもきれいです。必ず雨具の準備をしていきましょう。私は10月後半に行き連日雨でした。ただし雨といっても小雨といった感じで、レインジャケットのみで傘をささずとも快適に観光できました。レインパンツも履いていたので滝のすぐそばまで行くことができました。朝8時出発のツアーだったのでほとんど混雑はなかったです。
冬の滝はこれまた乙なものです。雪景色の中を流れ落ちる滝はとても美しく、マルトノマ滝では雪が降ると自らの命を犠牲にした族長の娘の姿が滝の中に浮かび上がるとも言われています。ただし凍結するほどの気温だと滝付近は滑りやすく、特にハイキングに行くならちゃんとしたギアが必要になります。雪ならいいのですが冬の冷たい雨はちょっと気持ちが沈みます。駐車場の混雑の心配はほとんどしなくていいでしょう。ツアーは冬季にはしていない場合があります。
皆さんも次回ポートランドに行くならぜひコロンビア渓谷まで足を延ばしませんか?マイナスイオンをいっぱい吸収して心が洗われること間違いなしです。
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