アメリカで暮らすには老後資金はいくら必要?早く退職して旅をしたい方必見!

smiling elderly couple

旅行したいけど貯金がいくらあれば安心して退職きるのかタイミングがわからない。そもそも老後資金ってどれだけ必要?どれだけ長生きしてもお金が尽きない方法なんてあるのかな。不労収入・有労収入ってそもそも何?普通に節約、貯金するだけでちゃんとたまるのかわからないから不安。そんな疑問にお答えします。

アメリカで長く暮らしていて思うのですが、日本と比べて物価が高いように思います。昔は日本と言えば生活費がとても高いことではニューヨークやパリと並んで「高い国」として有名でしたが、景気が長期的に停滞し経済に良いとされるほんの少しのインフレが日本では起こらず、なんと日本の賃金はこの20年ずっと実質同じというではありませんか!アメリカでは物価が毎年2%程度上昇し、賃金上昇は特に低中所得層では十分ではありませんが日本よりはずっと上昇していると言われています。

アメリカで高いなと思うのは、住む場所にもよると思いますが大都市では家賃、教育費、外食費、宿泊費、そして一番大きいのが医療費。日本に里帰りした際に、日本のお医者さんの意見も聞きたいと健康保険なしで診察を受けたことがありました。診察費用はなんと2千円!!衝撃的でした。今でもあれは病院側の間違いだったのではないかと思うくらい信じられないです。アメリカだったら保険がなかったら200ドルくらいします。2千円ってすごくいい健康保険をアメリカで持っていても、自己負担分として診察にかかる値段より安いくらいです。

年齢を重ねるにつれて医療費も増加していくことが予想されますから、いったいアメリカでは老後資金はいくらくらいあったらいいのか。老後が不安だから頭と体が動くうちはずっと働かなければならない、早くに退職してゆっくり旅行を楽しむなんて不安だからできないと思っていませんか。具体的にいくらくらい貯金したら、それなりに安心して退職することができるのか。今日の記事ではそんな疑問を追求していきます!

もちろんTabindoはファイナンシャル・アドバイザーでもなんでもありません。ただ個人的に色々調べたことをここに参考としてまとめているので、実際に投資などする際はご自身でリサーチして自己責任でお願いします。

本記事の内容

目次

アメリカで老後資金はいくら必要?

目安は年間生活費の25倍あれば大丈夫らしい

日本では老後資金2千万円問題なんて騒がれていたようですが、アメリカではいったいどのくらい貯めれば余生を楽しめるんでしょう。人によって生活スタイルが異なるので一概にいくらという答えはありません。目安として年間生活費の25倍あれば大丈夫と言われています。

例えば夫婦二人の毎月の家計を集計して支出が約5千ドル(約50万円)としてみましょう。

5千ドル x 12カ月 = 6万ドル

6万ドル x 25 = 150万ドル(1.5ミリオンドル=単純に1ドル100円とすると約1億5千万円)

普通の庶民がそんなに貯金できるわけないよ!と驚愕されたのではないのでしょうか。それに人生100年のこのご時世に25年分ではそれでも足りなくなるから早く退職なんてできない、と不安な方もいるかもしれません。この計算には年金収入は含んでおらず、支出も定年前と変わらないと前提しています。

老後の生活費は働き盛りの時より減少するのが一般的

実際には、定年後は支出が減る方が大半です。住宅ローンも終わるだろうし、仕事しないなら洋服もあまりいらなく、通勤のためのガソリン代などの交通費も減ります。働いていてランチは外食やテイクアウトを多くする方だと、外食費も減ります。お子さんがいる方なら、お子さんの教育費も落ち着くだろうし、老後の生活費は一般的には退職前の約80%くらいといわれています。年金を受け取れることも考えると、実際には上の例のように25年間分の貯金をしなくてもいいのかもしれません。

それでも心配な方はインフレを加味して定年退職前と同じ額を支出すると想定しておくとよいでしょう。アメリカは医療費が高いので住宅ローンが医療費にとってかわる可能性も心配なところです。職場を通して健康保険に加入していると、退職後にアメリカの健康保険の高さには衝撃を受けます。だってアメリカの健康保険は一人につき月400~500ドルがざらですから。

どんなに長生きしてもお金がなくならない方法なんてある?

いったい「年間生活費の25倍あれば大丈夫らしい」という、この老後資金額はどこからきたのでしょう?この額はどんなに長生きしてもお金が尽きないことを条件としています。なぜお金が尽きないのでしょうか。それは年間利率と関係しています。

アメリカでは株や債券の長期投資の年間利率を平均6%と計算することが一般です。この年間利率内での引き出しだけで過ごせれば、いつまで経ってもお金がなくならないというのです。例えばちょっと余裕をもって4%だけで済ませるとすると、1.5ミリオンドルを投資している場合、年6万ドル引き出せます。つまり前述の例の年間生活費となるわけです。

実際にはうまく投資すれば年間平均6%より稼げるのかもしれません。例えばここ一年だけで見てみると株は高騰、2040年、定年退職バランス投資信託が、去年8月からの一年で利率が30%でした。2020年3月はコロナウィルスの影響で株が暴落しましたが、その後は政府の経済政策もあり快調でしたね。

【2022年8月補足】この記事を書いた2021年の夏から一転して2022年は株価の変動が激しく、現在は上述の定年退職バランス投資信託は1年前と比べて4%程度のマイナスとなっています。

エクセルで計算表を作成したのでぜひダウンロードして、ご自分で計算し何年後に退職または勤務日数を減らせることができるか見てみましょう。

リスクを抑えてお金を増やす方法

では早速、1.5ミリオンドル貯金したい!と意気込まれた方。残念ながら簡単にお金を稼ぐ方法はありません。お金を稼ぐには自分が働くか、お金に働いてもらうか、他人に働いてもらうか、モノに働いてもらうかのどれかです。

給与所得にもリスクはある

働いた時間の分だけお金を得る、つまり労働の対価をもらうことで収入を得るのはもっとも一般的な方法です。誰かに雇われて給与収入をもらうというのは、皆が思い描く働く姿ではないでしょうか。特に大手企業や政府関係のお仕事だといわゆる安定したリスクの少ないお仕事だと考える人は多いのではないでしょうか。

自営業などをしてサービスを提供した分だけお金をもらうというのも、いわゆる有労収入です。デザイナーなどの仕事をしていて、注文を受けてデザインをすることでお金を支払ってもらうなど。大企業や政府関係のお仕事と比べると、自営業はリスクがあると思われがちです。

雇われている、自分でビジネスをしているにしろ有労所得に頼っていることに伴うリスクがあります。労働の対価をもらっているうちは、身体と時間が資本という現実です。

  • 急病になり始めのうちは有休や病気休暇で仕事を休んでいたものの、病気が長期化するといずれ解雇される。
  • 子供ができて仕事と子育ての両立が難しくなり、仕事を辞めた瞬間に収入がなくなる。
  • 高齢になった親の急病で介護が必要になり、仕事を半分に減らしたら収入は半分になったが支出は増えた。
  • 好きな仕事で楽しんでいたのに、急にブラック上司が配属され職場環境が悪化し、ストレスが溜まって体を壊してるのに仕事をやめられず、寿命が縮んだ。

貯金だけではお金は目減りしていくだけ

そんなリスクを背負いながらでも、有労所得で得たお金をコツコツ銀行口座に入れた、またはタンス貯金しているという方がいたら、残念ながら貯金するだけではインフレで年数が経つほど貯金額が実質目減りしてしまいます。

【2022年補足】2022年、アメリカはインフレが7~8%と言われていますね。インフレが8%というのは、せっかく去年貯めた100ドルが92ドルに減ってしまったのと同じということです。

残念ながらお給料も去年と同じだったら8%目減りしてしまったのと同じ。つまり減給になってしまったというのと同じなのです。だからアメリカでは現在、庶民の中で不満が爆発しているわけですね。

不労収入を増やすことはリスクを減らすこと

自分の健康と時間に頼らずに得られるお金は不労所得です。そんな夢みたいな話があるのかと思われるかもしれませんが、それなりにあります。例えば

  • 株に投資して利率でお金を増やす。
  • 利率の良い銀行口座にお金を入れて、少しだけだけど利息をもらう(目減りを減らす)。
  • Youtubeのチャンネルを作って、ビデオを作るのは大変だけど、一度作った後はほぼ自動的に広告収入がある。
  • 専門性を生かしてビデオ講座や教材を作り、それを有料でダウンロードしてもらうたびに収益が発生する。
  • 自分のビジネスが手堅く育った後に、人を雇って自分は働かなくても商売がまわるようになった。

つまり不労収入とは自分以外のモノ、人が自分の代わりに働いてお金を得てくれるということです。

リスク分散には多様化するしかない

ビジネスや投資をしている人ならリスクは分散せよと言いますよね。自分の収入源を多様化することは、大きなリスク分散につながります。

  • 雇われ仕事をしているのだったら、副業を始めてお小遣い程度でも余分に稼ぐ。
  • 一人だけで稼いでると自分が倒れたら家族が困るので、共働きにしたり生命保険に入っておく。
  • ビジネスだったら一つの商品だけに頼っていると、時代が変わってそれが売れなくなったら困るから、いくつも売れる商品があるようにしておく(富士フィルムが良い例ですね)。
  • 自分一人で商売を切り盛りしていたら、病気の時に困るから任せられる人を育てておく。
  • 少数の株だけに頼っていたら暴落してお金が無くなると困るので、多様化したポートフォリオを作っておく。

普段からリスク分散のために多様化することを心がけると、投資の大切さに気付きます。

投資のことは知っておこう

日本では投資は怖いというイメージがあり、手を出していない人が多いですよね。特に中年・高齢世代はそうではないでしょうか。私もそうでした。アメリカで働き始めてからは職場を通しての強制参加の積立投資をしていますが、入社時にプランの選択をしないといけなくて、初めの職場では何もわからずに「リスクなし」プランを選んで、その後、退職後も放置していたら株に投資ではなく、銀行預金みたいなプランだったらしく、一番株が上昇した数年を逃して、全く増えていませんでした(涙)。その後、株の投資のことを学んでからは、怖くなくなり、現在は株に投資しています。

2つめの職場でも、入社時にプランの選択を迫られてよくわからないまま定年退職バランスプランを選び、お任せで年齢に合わせてリスクを調整しながら多様な株や債券に投資してもらっていました。これは手数料が高くなければ、それなりに良い方法だと思います。自分で勉強してからどのファンドを選ぶか決めるというのが敷居が高い場合は、お任せプランでもちゃんとした会社のならいいと思います。私は現在はもっと投資のことを勉強したので、自信がついてもっとアグレッシブに行きたいと自分で選ぶプランに切り替えていますが、何年間か、お任せバランスプランにしていたことは全く後悔していません。個人的にはアメリカでは手数料が1%かそれ以上なら考え直した方がいいと思います。

コツは多様化したポートフォリオを長期分散投資で積み立てていくことです。また詳しくそのうちブログで書きますが、ざっくり言うと手数料が安く、バランスよく色んな企業の株を持てるインデックスファンドやETFがリスクを分散できておすすめです。一度入れたら10年は据え置きの覚悟で投資するといいと思います。株の暴落は下手をすると回復するまで数年かかるからです。一般的にはアメリカでは生活費の半年分を緊急のために貯金して後は投資にまわせれば良いと言われています。いくら緊急資金としておいておくかは、人それぞれ。どれだけ手元にあれば安心かと自分と相談して決めてみましょう。

自分への投資が一番大切!

投資というと株や不動産を考えがちですが、自分への投資が一番大切です。自分への投資にはスキルを身に着けること、心身の幸せを増やす・維持することの二つにざっくり分けてみましょう。

自分のスキルへの投資

最終的には頼りになるのは自分です。会社に頼っていても守ってくれないし、失業したときに次の職場を見つけてくれることもありません。私は不景気の時代に大学を卒業しました。それでも男友達が就活セミナーや面接に招待されているのを横目にしながら、ただコツコツと就活をしたけれど、最終的に新卒で入社したのはブラック上司が君臨している中小企業。既婚女性の正社員が皆無なことに気づき、ここにいても将来はないと20代半ばで退職しました。

思い切って夢だった留学をして専門技能を身に着けて、いまでは専門職をしています。同世代の女友達もくまなく新卒で入った会社を辞めてから専門学校などに行き技能を身に着けています。ふと周りを見回すと新卒の時はなんの手に職もなかった私たちですが、現在はウェブ・エンジニア、看護師、保育士、精神保健福祉士など。もちろん主婦となり立派に子育てをしている女友達も何人もいます。専門職になった友人たちは独身か晩婚が多いので、どこかしら「頼りになるのは自分しかない」という危機感があったのかもしれませんね。

自分の心身の健康・幸せのための投資

どれだけお金を持っていても、身体を壊して人生を楽しむことができなかったら元も子もありません。自分の心身を健康にしていく・または保つという投資は必ずしていきましょう。

  • 家族との大切な時間を削ってまで残業する必要本当にありますか?
  • 自分の心身に良いことするより、スマホでインスタとかTikTokとか見てる必要本当にありますか?
  • 自分を幸せにしてくれる本を読むより、スマホですか?
  • 怖いからといって、定期検診後回しにしてませんか?
  • 皆にどう思われるか不安だから、簡単なことにだけノーと言っていませんか。そしてノーと言ってることが実はもっと大切だったりしませんか。
  • 自分の幸せ度が下がる苦手な人と無理やり付き合ってませんか?
  • 心身に無理してお金を稼ぐより、支出を減らしてストレスの少ない職場を選んでみませんか。

まとめ

漠然と老後資金をできるだけ貯めないといけない!と思っているよりも、具体的にいくら必要か自分で計算できたら、安心して退職できるタイミングを見極めることができるはず。また目標が具体的になったことで、今のやり方を調整していくきっかけになるかもしれません。

ここでお伝えしたかったことはお金儲けの話しではなく、自分の人生を充実させていくためにお金と上手に付き合っていということです。ぜひ老後に笑顔でいられるように、一緒に頑張っていきたいですね!

*このブログは私の個人的な知識と意見を元に書かれたものです。投資する場合はリスクがあることを踏まえて、必ずご自身でリサーチしてください。

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